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ねこ屋でございます

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ねこ屋でございます  NEKO美術館発

たとえば こんなねこ屋が おりました
どういう理由かわかりませんが とにかく
「ねこ屋」をはじめるのでした

で ひがなの客待ちですので ぺら本をよんだりして
たいくつしのぎをして 客をまっておりました

そこに貴重な 客がまいりました
としのこう 86ぐらいでしょうか
あたまにぼうしをかぶっていました

まゆげはまっしろ ひげははえておりません
だからどうのこうのではありませんが
とにかく そのじいさんは 

「これいくら?」

そのねこは たいへんにとしよりのようです
ぼーっとじーっとしています

ねこ屋のおじさんは とくべつにこにこして
「ちょっと歳くってますけど せわなんぞもういりませんや」
といいました

ところが まわりりのねこが
「つるへいさん いかないでー」といっせいに セミの合唱のように
おおさわぎしたのです
このねこは つるへいってなまえらしいですね

つるへいはとにかくしずかに ねこ屋にされるままに おとなしくしていました

「いくか」じいさんはいいました
つるへいは だいこんのようにふくろにいれられて
ぼーっとじいさんにだかれました

「かるいこと」じいさんはいいました
「にゃん」とつるへいはこたえました


《 2016.05.23 Mon  _  ねこでよろしいですか 》