フーフー通信1985
ヨーロッパからの手紙 夫 続きです。
ポルトガルの首都リスボンの街の第一印象は、パリと比べ(もっとも今のところパリとしか比べようがないのですが)、建物も黒くすすけて汚れた感じで、人々の身なりもなんとなくやぼったく、全体がざわざわと雑然としたものを与えます。もっともこの日が革命記念日(1974年4月25日に、リスボンで軍事クーデターが発生し、45年間続いたファシズム体制がくずれました)だったので、人々は街にあふれていたというせいもあるかもしれません。
この国のことについては、かって日本に種子カ島と印刷機と、宣教師と病院を伝来した国だということぐらいしか知識のない僕には、街と人々の光景を眺めているだけでは何も語れないのですが、なんとなく国の経済もうまくいってないのではないかと思えてきます。
駅の貨幣交換所で換えたポルトガル紙幣は、ボロボロといっていいほど汚れて傷んでいます。そのことが僕たち旅行者に、この国の事情を端的に教えてくれているような思いにさせるのです。
街の中心からすぐ裏にまわれば、石畳の坂道です。この坂道はまるで迷路のような袋小路だらけの坂道です。そしてこの急で、袋小路の坂道を路面電車が走り、人々は小路にあふれ、軒先にはりめぐらされた洗濯物の行列はじかに庶民の生活を見せてくれます。ゆっくりとこの袋小路を散策すれば味わいのある街かもしれません。でも今日は足が痛い上に一日中、例のアレルギー性鼻炎に苦しめられさんざんでした。日本を出て以来はじめてのリスボンのホテルでシャワーにありつけたことだけが満足でありました。
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そういえば アレルギー性鼻炎 今 なおってますねぇ。 年取ったら直るという話もありますが それですかねぇ。
足が痛くなっています。旅は歩くことが多いですから。日本にいたらそんなにやっきになって歩きませんよね。
パリからポルトガルに来るとフランシスコザビエルでしたっけ? それよりもサウザーゼ鎖国の日本に文明をもたらしてくれたポルトガルも。
でも庶民の生活が見える国は平和なんじゃないでしょうかね。それよりも足が痛いから ちょっと不安なんじゃないでしょうか。ま、はなしはこれで終わりじゃありません。