NEKO美術館 成瀬憲子

ねこのムラカミ記者は

大阪のUさん夫妻のところから１９９５年に兄妹ネコ２匹でやってきた。

ムラカミとハルキ。ハルキはメス猫で　はやくに死んでしまった。

ムラカミは頼りない感じのオスネコだったのに２１年も生きた。

亡くなってことしで一年。

そんなときUさんのてがみが出てきた。

それによると小包を送ったお礼と　Uさん家にいる生きもののことが書いてある。

「居候のハムスターの健ちゃんにひまわりのたねをほんの少しおすそわけをしてやりました。」居候ってどっかのハムスターをあづかっているってことですよね。

「ネコのイチ、ハナ、ヤエ、マスク、シロ、トラ、キン、クロ、ブチ、三四郎、はおじゃこをわけてもらいました」１２３・・・１０人じゃない１０ぴき。「みんなみんなよろこんでいます。」

「家の廊下の修理に、大工さんがきました。トントン金づちを叩いている手もとを　うちのイチとヤエが一日、そばで見学している姿のかわいらしさに、大工さんが子猫がほしいというのです。さっそく公園で調達。死にかけていたドロドロのぶさいくなメス猫を　ピカピカに洗い　トイレもしつけて一杯食べさせ　リボンもつけて大工さんに見せました。この大工さん　すごく喜んで（仕事も放りだして）さっそく家につれて帰り「毎日だっこして寝ています」とのこと。もらってもらった翌日は大雨だったので、本当にホッとしました。あのままでは公園で野たれ死にですものね。」

この手紙を読んでますとね　「犬一匹かったことがある」「ネコ二ひきかったことがある」なんてこと　ちゃんちゃらおかしいですよね。貧乏人のこだくさんともちがう　犬もネコもたくさんいて　くらしている（そのときはお母さんや息子さんも）Uさん一家なんです。

ムラカミ記念講演でした（笑）

ちなみにUさん夫婦はパソコンにあまり興味がない人なんです。やっぱり生きものじゃないと。わたしはムラカミをやっと見送って（まるでお母ちゃんを見送ったときのように）

こうしてパソコンをいじってます。けっこうはまってるんです。