who am ?I

PAGE TOP

  • 03
  • 19

たぬきにお願いした日

スキャン2057.jpeg「たぬきにおねがいしたこと」

わたしは 林の中で たぬきに出合いました。
せっかく出会ったのだから たぬきにおねがいをしました。
「おそれいりますが どんぐりさんがかぶっているような すてきなぼうしをさがすというか みつけてきていただけませんか」と。
たぬきは そんなとつぜんのもうしでにちょっとこまりました。じぶんはたぬきであって けっしてどんぐりふぜいでは ござらぬからです。
たぬきはそれでも ことわるまえに 「どうして どんぐりさんのぼうしがきみにひつようなのかね?」そう わたしにききました。
たぬきは いくらたぬきでも どんぐりの顔の小ささは にんげんがどう「こがお」にしたとしても どだい ちがいすぎるとおもうからでした。
わたしはそのたぬきのひょうじょうが とても「べんがく」がすきな「がくしゃ」にみえたので
それはむりなおねがいだと ゆっくりおもいはじめたのです。
たぬきは「わかればいいんだよ」とたちさろうとしました。
「あの」わたしはこのままたぬきとわかれるのは おしいとおもいましたので
「きょうのこれからのごよていは?」とあいさつのようにたぬきにきいてみました。
たぬきは すこしわらったようです。あれがたぬきわらいだとおもうのでそういうのですが。そして「きょうは久しぶりにふろにはいるんだよ」といいました。
これより「すこし」はやしのなかにはいると なかなかの「ろてんおんせん」というか たぬきやきつねにちょうどよい「ゆかげん」のおんせんがあるのだそうです。
たぬきはふろずきの「やまざる」にくらべると ずいぶんなにおいだそうです。
「あおじそ」のはっぱとか 「花びら」をからだにこすりつけるとだいぶましなのにと やまざるには「ひそひそ」いわれています。
で たぬきはあおじそのはっぱをあたまにのせて 「おくのほそみち」を いってしまいました。
わたしはきょうこんな「はなし」に あたまのなかでであいました。

《 2016.03.19 Sat  _  ペラ本 》