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ゴーグ

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『印象派時代』福島繁太郎著 光文社 昭和18年の続きです。

ゴーグの芸術の本質

 先年大仕掛けなゴーグの偽作事件が起こった。ド・ラ・ファイュはゴーグの作品集出版後、それに収めた数枚のタブロウに就き疑惑を抱くに至ったので、そのタブロウを親しく検討し、一方出所を調査したる後、偽作なりと断定を下してその訂正を発表した。出所がドイツなる事を知れるや、ドイツ官憲の活動となり、ついに大偽造團は発覚したのである。ベルリン近郊の某所に、ゴーグの作品を熟知する腕達者の画家をひそかに雇い入れ、これに真作に似よりの構図の下に偽作せしめて、ぽつりぽつりと相当の画商を通じて売り出していたものである。ドイツ一流の批評家マイエル・グレフェも渦中に巻き込まれていた。彼がその鑑定をしていたというのである。一味徒党は数珠つなぎに刑務所入りとなったわけだが、マイエル・グレフェだけは事情を知らなかったので牢屋行だけは免れた。しかし鑑識家としての面目は丸つぶれとなってけりがついた。どうも批評家という者も何かと理屈はこねるがあてにならないものである。
 綿密なドイツ人が用意周到な計画の下に、金をかけ時を費やしてやったものだけに、その巧妙をきわめていること、とうていかの春峰庵事件の比ではない。
 私もその一作をまだ偽作と断定されない前に某画廊で見る機会を得た。その絵はアルル時代によく描いたオリーブの林の図であったが、不思議と彼の特徴である野性的なはげしさが緩和されている。彼の野性的なはげしさは鑑賞者を反発せしめる位強いのだが、その絵には却って柔らかいポエジーを感じたくらいである。色彩がちょっと淋しかった。タッチはなかなか達者であるが躍動的ではなく、むしろぬるぬるとして勢いを欠いていた。だが実にうまくできている。私が見た近代画の偽作ではこのくらいうまくできていたのはない。

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ゴッホの偽作事件の話ですね。
アルルのオリーブの林の絵 ゴッホはいっぱい作品を残しています。精神的に調子の悪い時には 住んでいたところに絵を起きっ放しにして去ってしまっていたみたいな話もどこで読んだんでしたっけ?なにしろ絵は有名になってはじめて みんな目の色をかえて取り合いしますが そんな事ではない場合は...
いやそういうことより ゴッホの絵はかきまくっていたからこそ こんな偽作が出回ったのかもしれませんね。
<ラブーの娘>1890年 油絵 66x54・5cmこれは本物でしょう。
このあいだ なんかで日本人でもう亡くなってますがゴッホとルノアールの絵を持っている人の事が出ていましたね。この人がそれらの絵をご自分のものにされた時はたしか億の単位の金額だったと思います。とても絵の好きな方でそれらの絵で美術館をなさりたかったとか。でもその意志はどうやら実現しなかったみたいですね。その人がご自分が死んだ時はその絵も燃やしてほしいくらいだと言ったとか それで世間は怒ったとか。
宝物のような絵 あらためて 絵ってすごいと思ったのでした。
ゴッホは自分はいい絵を描いていると確かに思っていたんですよね。生きているうちにうれればよかったのか こんなにたくさんの絵が売れたら ゴッホはそれでなくてもおかしくなっていたのに あかんわ どないなってたんやろ。
こうしてゴッホの画集を 自分の十代の時に見られたことはうれしかったです はい。

到底かの春峰庵事件の比ではない

さいならさいなら
《 2016.03.05 Sat  _  1ぺーじ 》