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1994年

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1994年 義父は温泉の待合室の椅子に腰掛けていた。
ボーッと窓の外を見ている 「おじいちゃん」
そういうと義父は「やあ」と手をあげた。
「30分ほど待ったよ」
私は耳の遠い義父のそばで 「私の友だちのTさんよ」と紹介すると
義父は「どうもどうも」とあいさつをした
Tさんは にこにこして 「あら お元気そう」と近づいた
「とてもお若くて90にはみえません 絶対に」そう Tさんがいうと
義父は 「いやいや もう 手も足もみーんなあきません としとったらあきませんなあ」 といつものように まゆをしかめて 笑う
「すごい 90で立ったまま くつをはかれるなんて めずらしいですよ」Tさんがいう
義父は いつもはこしかけて白い運動靴をはくのだけれども どういうわけかきょうは立ってはいている

私はTさんと義父を乗せて わが家へ帰る
Tさんは大阪から来た 私たち一家は信州に住んでいる
今こどもは4人 私たち夫婦と 夫の父と私の母が一緒に住んでいる
8人家族だ 
父母のお昼ご飯の用意をする あとでTさんと私たち夫婦は 白馬にでも
雪を見にに出かけようかと思っている
義父は久しぶりに自分に話しかけてくれる客が来たので 自分の部屋に入らずに Tさんのいる食堂にいる
私たち夫婦が 出かける用意をしていると 
「あら ここでよかったのに ここのほうがいいわ」
Tさんは 父をみながらいった


これは1994年 義父の晩年の話です。母もいますね。
思い出しました。
義父はTさんともっと話をしたかったんだと思います。そして私は はやく夫の運転で白馬に行って3人で お茶などのみたいと 思っていました。
《 2015.11.30 Mon  _  思い出 》