NEKO美術館 成瀬憲子

母のこと

母は５つ玉のそろばんを　持っていました

写真のように長い　私が使っていたようなのではなく

白い玉の　小さなそろばんでした

いまテレビの朝ドラで　あっ出て来ない　「まれ」が（前回の）

じゃまして　ええっと　「あさがきた」や

あさという女性が　主人公なんですが　この人が持ってる

そろばんも小さくて　あんなかんじです

母は　そのそろばんを　私が子どもの頃から　ぱちぱちと

一日が終わるころ　はじいていました

父のお葬式が終わったときにも

　話は変わりますが　大阪に私たち一家がいたとき　近所のおばあちゃんが　

母は　いつもはじいていましたよ。病気で入院してるときでも　ベッドの上で

（ただし点滴でつながれている時は無理でしたが）

私も　しばらく計算機信用して（笑）使っていましたが

あるひ　途方もない金額が出てきたので　ビックリぽん（朝ドラ）で

そろばんに変えました。

私は小学生のときはじめてそろばんを習い始めました。これは学校の

先生に授業で教えてもらったのです。が　習いはじめが大変でした。　

ここらへんが私の頭のかたいところなんですが　さっぱりわからないのです。　

今でも覚えているのですから　パニックだったんでしょうね。

この写真のそろばんの練習帖は　そのころの私のものです。

母が晩年　これで練習していました。　英語もたしか勉強したいと言ってましたよ。

私のことにもどりますが　そのかなしい居残りそろばんの後　うちで練習したんでしょう

ね。　おぼえるとけっこう得意になるんです。

母の五つだまは　やっぱり　むずかしいと私は思ってて　子どもらが使ってたのを

引っ張りだしてきて　ぱちぱちやります。　あの大阪のおばあちゃんが言ってたように　ぼけないようにね。

お母ちゃん　あの世で　ぱちぱちやってまっか？