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お盆

おぼん

今日は8月13日 おぼんにはもうこの世にはいない人たちの事を 思い出すことにしましょうか。

父母は子供の所に来る時は それは大阪や東京なんだけど 2人でやってきました。
大阪駅では 2人はいつもたよりなげに きょろきょろしながら娘のわ私を待っていました。 そして私を見つけると「おお」と手をあげて パッと明るい表情になるのでした。 母はしゃべりはじめ 「お父ちゃんはなせかせかしてなあ 万博の時でも 靖(息子)にもっていく大きな荷物をさげてなあ。 母ちゃんは足が痛うてたまらんのに ほらアメリカ館だのソ連館だの走り回っちゃったんやで」いつまでもその話は歩きながら続くのでした。

 父母が我々のところに持ってくる荷物は 4つの手が持てる以上のもののように見えます。肩にかけ 腕にかけ 両方の手に持って。 ここにいるのは孫もいる老人たちです。
なんという大荷物をこの老人たちは持ってきたのでしょう。 わたしがその荷物をよこせというと いいからと がんとしてゆずらない。父母の体はギーギーきしむようです。
わたしが先頭 つぎに父そのあとに母です。 わたしが立ち止まると 母は父の背中にぽんとぶつかりました。 母は足元だけを見ながら父の後をついてきているからです。
大阪に来るという事は 2人にとって一大事でした。おそらく2人はそれまでに一ヶ月は準備期間があるのです。 畑をやっておこうとか しばを運んでおこうとか。
 私は末っ子なので父母のそういう習慣がよくわかるのです。

そんなことも父が亡くなって 母ひとりになりました。
それでも 私の出産のとき 母は出てきてくれました。心配したでしょうね。
父母はそう出歩かない人ではありませんでした。 かって父は先生をしてましたし 母も婦人会に入って元気に出かけていました。

それでも大阪の駅に待つ母は頼りなさそうでした。近くの男の人に「お母さんをかさにいれてあっちまでつれてってくれや」と声をかけられました。確かに母のすがたはそう声をかけずにはいられないようなのでしょう。
「今日は雨やなあ」2人でかわした言葉でした。重そうな荷物は2つでした。

そんなとしに 私もなっているのですが 夫はともかく 私は たよりないです。 時代は変わったというのに 出かけるとなると もうドキドキします。 荷物はなるべく少なくして 宅急便で送ります。

そんなお父ちゃんやお母ちゃんがお盆にはかえってきます。


《 2015.08.13 Thu  _  思い出 》