母の手紙です。１９７６年 私は独身。
＊
歩き回って疲れました。楽しかったけどね。お父さんは退屈だったみたいだけどね。
私も関（美保関）の兄を失いがっくりし 大変淋しく心の中を風が吹き抜ける思いをしています。どこを見てもいやなことばかり。もっと楽しい明るい話題が待たれます。ロキードなどやっつけてしまえ だ。埼玉の辰兄より久しぶりに電話があり 兄の事（亡くなった）を話しお互いにからだを大切にして長生きしようと話し合いました。辰のおじさんがのりこのことを心配してくれています。東京のほうに一度出て来るようにいってくるかもしれません。その時は一度会いたいのでいっしょに行ってもよいと思います。素直に返事をしてね。貴方はもっと身の回りを美しくすべきだと思います。髪などももっとすっきりとね。だれでも美しい人を好みますよ。そして周りの人々の好意を素直に受けようにね。どこにあなたの幸運があるかわかりませんからね。ぴったりの人がどこかにいるはずですよ。
＊＊＊
お母ちゃんの手紙は いまでもけむたいのですよ（笑い）。
これは島根県の美保関の母の兄が亡くなった頃のものです。７人兄弟の一番上の兄です。
「ロッキードなどやっつけてしまえ」なんて、１９７６年だったんですかね ロッキード事件は。母が６６才のときです。えっ６６才？ 今の私の年じゃないですか。 私一人が嫁にいきそびれてて。お父ちゃんもお母ちゃんも 気が休まらなかったでしょうね。今こそ素直にあやまろう。とはいうものの......
「おかあちゃん ごめんな」
ぴったりの人？お母ちゃん ぴったりの人やった？
おたより あっちゃうわ お父ちゃんによろしく