のりばあ(N) これはどういう絵だとおもいますか?
蝶ネクタあイ(T) さて。木々が並んでる
(N) 茶色と黄色の木。なーんも特別のことはないよねえ
(T) ほんとだ。なーんも考えずにこの絵はかかれたんですか?
(N) そうね。でもそんな絵って結構
(T) 結構どうなんですか?
(N) これは大阪のマサゴ画廊での最後の個展の案内状なんです、私の
(T) そうなんですか。最後にしたのはいつごろですか
(N) 1997年です。確か52歳のとき
(T) どうしてやめにしたんですか?
(N) どうしてかな。何年もつづけてきた個展だから。絵は好きなんですけど、一回自分はどんな絵やオブジェなどを生み出してきたのかゆっくり振り返ってみたいと思って。でもこれは本当の理由だったのかしら
(T) そうですか。でも年に一回の個展、続けてもよかったんじゃないですか
(N) それが両方はできないやつなんです。自分なりにいい絵が描きたくてね、一年中個展にむかって描き続けるんです
(T) まじめな人ですね
(N) そうなんです。義父や母と8人家族の中でそういうことをやってたんですけど、2人の老人を見送って、そのころ、「人はやっぱり死ぬんだなあ」とも思いました
(T) それが理由ですか
(N) どうなんでしょう。夫せいにも新しい仕事ができたんです。もう助けてもらえそうにもないんだな、と。額に絵を入れたり、車で絵を運んでもらったりがむずかしくなってきたんです
(T) それが理由?
(N) さあ。つまり理由ははっきりわからないんです。
(T) 最後の個展の案内状
(N) わたしはこの木々の中のどれかなあ。それにしてもなんで「ぞう」がいるの?いろんな想像を自分の絵なのにしたくなるんです
(T) 今でも?
(N) 今でも