2024.03.08
20240308
いまさらではありますが、3月になりまして。3月になりますと、atelier naruse の新シーズン【2024 s/s|はるなつのふく】が、いよいよ本格的に始動いたします。
「・・・え? 春夏、もうはじまってるじゃない」と、思われたみなさん。はい。ありがとうございます。みなさんご承知いただいておりますとおり、すでに2月から新シーズンははじまっているのですけれども、2月の新作発表というのは、あくまでも、春よ恋、あ、ちがう。“春よ、来い” の願いを込めた「はるなつシーズンの前夜祭」。3月からがお祭りの本番なんでぃ。
・・・と、スタッフの中で私だけが思っております。実際、2月はお披露目する点数も少ないのですが、そのことを前夜祭と捉えることに特にこれといった理由はございません。まぁ、気分でございます。
それはさておき。
そんな、新シーズンの始動時にはお買いものをしていただいたみなさんにオマケとしてお配りしているシーズン毎のポストカードをあたらしくつくります。そんなシン・ポストカードは、もうまもなくはじまる3月の新作発表時からお届けしようということで現在絶賛印刷中でございますが、今回はちょいと先取り。そんなポストカードをコチラで紹介しようと思っております。
ただ。もしも、もしも、ですよ。そんな方はいらっしゃらないかと思いますが、「次回のオンラインストア公開時には買い物をする予定だ」かつ「いつも新しいポストカードがたのしみで夜も眠れない」というめずらしい方がいらっしゃいましたら、ここでページを閉じてください。
いいでしょうか。
いきますよ。
では、こちらが3月からお配りするあたらしいポストカードです。
はい、ドーン。
うん。かわいいですね。いいポストカードになりそうです。ついでに裏面も見てみましょうか。はい、ドーン。
うん。いい色。いい水色ですね。では、ここでちょっと問題。どうして、私は今回この水色を選んだのでしょうか。シンキングターイム🕰️。チクタクチクタクチクタクチクタクチーン🛎️。では、答えの前に、まずはこちらをご覧ください。
はい。いい本が3冊写っておりますね。もちろん、こちらに写っている本は適当に並べたわけではございません。今回、こちらの撮影場所としてお貸しいただきました「ふるえる書庫」さんにズラリと並んだ3万冊の蔵書から私が選んだ本でございます。一冊目は、みなさんご存知『風の谷のナウシカ』。もう一冊は『笑いの力』。もう一冊は『聖地巡礼』。では、それぞれの書籍を選んだ理由を簡単に説明いたします。
まずは、『風の谷のナウシカ』。こちらは言わずと知れた宮崎駿、私の人生でもっとも長くその動向を追いかけ続けている宮崎駿による漫画版ナウシカです。本作は映画版ナウシカ公開前に2巻までが上梓され、映画公開後に約10年をかけて全7巻で完結させた今や伝説ともいえる名著。つまりは、映画版ナウシカは、漫画版2巻までの内容で構成されているわけですが、この事実を知らない人は意外に多い。そして、多くの宮崎ファンはこの7巻の内容を中心とした新たなナウシカ『風の谷のナウシカ2』の制作を今でも期待しています。もちろん私もそのひとり。ですから、山口尚美ちゃんには撮影時にそんな7巻を読んでもらったこともここで説明を加えておきましょう。
つぎは、『笑いの力』。私はこの本のタイトルでもある “笑い” が大好きですし、 “笑い” があれば生きていけると思っておりますことから選んだ本でもありますが、注目していただきたいのは本著の著者名。河合隼雄、養老孟司、筒井康隆。・・・うーん。たまらん。長くなってきましたのでそれぞれの方の紹介は割愛しますが、端的に申しますと、こちらの3人は私が生きる指針として頼りにしている大好きなおじいちゃんたちです。ちなみに、河合隼雄。実は、私の息子の名前は「ハヤオ」といいますが、彼の「ハヤオ」は、宮崎駿と河合隼雄、このお2人の ”はやお” からいただいております。
さいごは、『聖地巡礼』。著者は、内田樹、そして、釈徹宗。私が特に20代から30代前半にかけて大いに影響を受けた2人の関西在住のおっちゃんたちです。いいえ、おっちゃんなどと言ってはいけません。なぜなら、釈徹宗さんは、さきほども書きました今回の撮影場所「ふるえる書庫」オーナー兼お坊さんのお父さま。如来時の住職であらせられるのですから。私、恥ずかしながら今回撮影場所としてお貸しいただくことになった際、そのあらましを知りまして、それこそ、ふるえた次第です。
というわけで。この3冊を選んだ理由。それは、この3冊、3作品を点と点で繋いでできた三角形の中心に、私という人物、ひいては atelier naruse が浮かび上がってくるという構図に仕上げているのです。「ほんまか?」。ほんまです。
そして、長くなりましたが、水色の答え。それは、『風の谷のナウシカ』第1巻の背表紙から裏表紙にかけての色が水色だから、が、正解です。あとは、なんか春夏っぽいし。
というわけで。「なんかオチが弱くない?」と思われたかもしれませんが、そんなことはございますん。ますん。ただ、一見するに普通のカワイイポストカードにしか見えないかもしれませんが、そこには私の思いもこだわりもしっかりと込めさせていただいているのです、ということをお伝えしたかっただけでこんなに長くなりました。なんか、すみません。
というわけで、part 2。そんなポストカードをお届けするのはもう少し先になりますが、もしも手に取っていただくことがございましたら「あ、あんなこと書いてたな」と、ちょっとグッとハッときていただけましたら幸いです。
ともあれ。なんだか寒暖差だの花粉だの黄砂だの体調不調係長カンチョーな方をよくお見受けする今日この頃ですが、よい週末を元気にお過ごしになられますように。では、また、週明け!
◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です