2024.02.09
20240209
今年に入ってから、ここ数年鈍足気味になっていた映画鑑賞習慣が戻ってきております。今年に入ってから観た作品は15本くらい。数年前まではのべ(複数回見ているものも含める)年間200本くらい観ていたので、まあまあのペースです。
映画を観る回数がめっきり減ったのは、新たな趣味である釣りの動画を見始めたことと、それが何故なのか理由はよくわからないものの、おそらくはロシア・ウクライナの戦争がはじまったあたりで決定的になったと記憶しています。「なんかもう、人間嫌っ!」みたいなことだったのかもしれません。それが映画を観ることとなんの関連性があるのかがやっぱり判然としないのですが、まぁ、なんとなく分かる気もします。
それはさておき。
先日もコチラで紹介した我が家で定期的に開催される夕食どきの映画鑑賞会。こちらは読んで字の如く、家族3人で夕食を食べながら30分ずつくらいを数日に分けて鑑賞するのですけれども(本当の映画好きの方には怒られそうですが)、そんな鑑賞会での最新の上映作品は『漁港の肉子ちゃん』。意外と知られていない(ような気がする)明石家さんまプロデュースのアニメーション作品です。
原作は西加奈子。北陸のとある町のとある漁港に暮らす母娘。天真爛漫な母親、通称・肉子ちゃんと、母親とは打って変わったしっかりものの小学5年生、通称・キクりんが、町の人たちや同級生たちと織りなすさまざまな出来事のなかで、その心の交流と成長を日常の淡々とした描写で紡ぎ出す物語。・・・とまあ、そんなところが映画の簡単なあらすじになります。
ただ。そんなあらすじや「さんまのプロデュース作品なんだ」といった前情報を念頭に映画を鑑賞し出すと、その世界に入りづらくなる不思議な作品で、けれども、一旦その世界に入ってしまうと、なんともまっとうで、あたたかく、上品で、登場人物に容赦はないのに、やさしい映画、という感じがします。
実際、私は今回の家族鑑賞会が約2年ぶり、2度目の鑑賞となったわけですけれど、初見時にも「これはええで。観てみ」と成瀬文子さんにお薦めはしたものの(そのとき、文子さんは観てくれなかったよ)、今回2度目の鑑賞のほうがよりグッときました。
私は原作を読んでいないのでなんとも言えないのですが、ちょいと調べてみたところ、本作のプロデューサーである明石家さんまがかなりいい仕事をしているようで、作品全体を通して保たれた節度、ともすれば説教くさくなりがちな場面を適度にサラリと描いているそのバランス、加えて、集まった声優陣の豪華な顔ぶれは、もしかすると明石家さんまの手腕と言ってもいいのかもしれません。
いや、監督は、これまた大好きな映画『海獣の子供』やテレビアニメ『サマータイムレンダ』の渡辺歩。作画監督は、スタジオジブリ研修生の一期生で『ホーホケキョ となりの山田くん』や『かぐや姫の物語』でも作画監督を務めた小西賢一。そんな超一流たちが手掛けている作品ですから、そりゃあ放っておいてもいい作品になりそうですが、それでも、もしも、前述のとおり明石家さんまがプロデューサーとしてしっかりとプロデューサーをしていたとしたら、改めて「さんま、かっこよ」となります。
ついでに。こういうことを書くのも要らぬ情報なのかもしれませんが、キクりんを演じた木村(拓哉)家の長女、Cocomiちゃんが初演技とは思えないほど本当に上手で、「すげー」と一気にファンになりました。
というわけで。なんだかちょっと鬱陶しい Amazon のレビューみたいになっちゃいましたが、今なら Netflix でも観ることができますので、この週末(3連休ですね)、時間に余裕があればぜひオススメの映画でございます。
あ、私のなかでは、お義母さんことノリぴーこと成瀬憲子さんが「肉子ちゃんみたい」と思いました。みなさん、よい週末、たのしい三連休を! あ、インフルやらコロナやら溶連菌やら水疱瘡やらには、どうぞ、お気をつけて~。
◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です