2024.02.02
20240202
我が家で定期的に開催される夕食どきの映画鑑賞会。最新の上映作品は『桐島、部活やめるってよ』でございました。
みなさんはご覧になったことがありますでしょうか。2012年の公開時は小規模にはじまったものの、評判が評判を呼んで最終的にはかなりの公開館数までいった話題作。観たことがあるという方もきっとたくさんいらっしゃるかと思いますが、念の為にそのあらすじを簡単にご紹介しますと。
物語の舞台は高校。ある日、バレー部のキャプテンである桐島が部活を辞めるという噂が校内に駆け巡る。学校ヒエラルキーの頂点に君臨していた桐島がその地位を自ら捨ててしまったことで、生徒たちのあいだには動揺が広がり、徐々にその関係性が崩れてゆく・・・。というお話です。ちなみに、そんな桐島は(あれが桐島だったのか?)というシーンはあるものの、表立って登場しないところがミソ。鑑賞後は、「わたしの高校生時代はこの子だったなー。あの人はこの子だったなー」と思うこと必須。大人になってすっかり忘れていた学校生活で刺さったあの棘のヒリヒリを思い出しながらも、同作以外ではあまり味わったことがない感動がしばらく押し寄せつづける名作です。
さて、そんな『桐島、部活やめるってよ』。私は生涯ベスト映画のひとつでして、2012年の公開以降、折に触れて何度もDVDで見返していた作品。そして、本作の主役といってもいい、神木隆之介くんが演じる映画部の前田に対しては「息子、将来この子(前田)みたいになるんじゃねぇか」ということが、公開時より私たち夫婦のあいだではなんとなくの共通認識となっていましたが、三つ子の魂百までを見事に読み取った私たちの予想は見事に的中。中一になった息子はまさに前田のキャラクターそのもので今を生きていらっしゃって、なんなら見た目もちょっと神木隆之介くん似になりました。
そんな我が家の前田こと息子と一緒に、私も成瀬文子さんもひさしぶりに鑑賞をした『桐島、部活やめるってよ』。私は劇中で前田が憂き目に会うたびに隣にいる息子を思わず抱きしめてしまいそうになる衝動を抑えつつ、息子は息子で「これ(前田)、俺やん。はぁ、リアルやー。リアルやー」と何度もつぶやきながら、さいごには「とんでもないものを観てしまった」と震えておりました。お父さんはガッツポーズです。
ことほどさように。子どもにみせたい映画、というものはよくありますが、同じように思春期の子に、思春期真っ只中で観てほしい映画というのもたくさんありまして、そういった映画を観ている若い子を側で見ているのは、趣味がいいんだか悪いんだか、たぶん悪いほうになる気もしますが、人生の最高のおつまみでございます。「こういうリアクションになるのか」「そういう感想を持つのか」「こんなふうに刺激されるのか」と改めてその作品を味わい直せるのも大変に乙です。そういった機会がありましたら、みなさんも実践してみてください。あ、『桐島、部活やめるってよ』をまだご覧になったことがない方は(サブスクでは公開がないように思いますが)、この週末にでもぜひご覧になってみてください。とてもとてもオススメです。
そんなわけで。『週末、気温さがるってよ』ということです。息子の学校も学級閉鎖期間が改めて週明けにまで延期されるなど、インフルエンザもコロナもやたらと元気モリモリ暴走中のご様子ですので、やつらに健康と時間をカツアゲされないよう、みなさんも元気モリモリでお過ごしくださいね。たのしい週末を!
◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です