2023.12.20
20231220
本日(というか、19日)。中学一年生の息子はとある初体験。“納品” という “作家なお仕事” をしてらっしゃいました。
学校から帰宅した17時。私が運転する車に乗った息子が手にしているのは、自作のカレンダー。向かった先は、ギャラリー6c。
はてさて、どういうことかといいますと。6cさんで開催されているこの時期恒例の展示、『カレンダークリスマスチャリティーマーケット』、略してCCC。イラストレーターさんや作家さんのオリジナル・カレンダーを集めて展示販売し、売り上げの一部を “こども食堂支援センター・むすびえさん” に寄付する、そんな イイね👍 な展示イベントに我が家の息子にもお声が掛かったということです。
で。なにゆえ中坊の息子に、というところですが。息子は小さいころから絵を描いたり、ものをつくったりするのが好きで、小学生の頃から自分で勝手に Instagram のアカウントをつくって作品をあげたりしておりましてね。そのことを知ってくれていたギャラリー6cのスタッフ、S氏から息子のアカウントにイベント参加のお誘いDMが直接届いた、というわけです。この、私たち親を介さず息子に直接、というのがなかなかに粋でございます。
私も、成瀬文子さんも、そのようなDMが届いたということは息子から聞いておりましたが、(なんか、おもろ)ということで、S氏には迷惑を掛けるかも、と思いつつもあえて口は出さず、本人に任せておりました。
ただ。しばらくしてS氏から私に連絡があり「息子さんにお仕事頼んだの知ってる? 参加してくれるやろか? “❤️” マークの返信はもらったんやけど」とのこと。社会人なら 完全NG なすっとこどっこいコミュニケーションをしていたようですが。
ともあれ。本人は(オレでええんやろか)という逡巡は多少あったもののヤル気はマンマンだったようで、制作に取り掛かるとわずか数時間で12枚のイラストを描き、翌日には iPad を駆使しながら日付を一日ずつ打ち込んでカレンダーのレイアウトを各月ごとに完成させてゆき、またその翌日には成瀬文子さんにプリンターの使い方を指導してもらいながらあらかじめ用意していたケント紙に印刷。同じく用意したPP袋に印刷したばかりのカレンダーを封入し、合計5セットの自作カレンダーができあがったようでした。
できあがったカレンダー。各月に多種多様な人の後ろ姿が描かれたその名も、『セナ“カ”レンダー(背中カレンダーの意)』。価格は500円(税込)。紙代とインク代を計算して材料費を割り出してから、そこに少額ながらもちゃんと寄付できるための金額を加えた金額のようです。
はい。とまぁ、このようなことを書きますと「息子さん、天才じゃない?」という天才カツアゲになってしまいそうですが、別にそういうことではございませんで。ただ、息子を褒めるとすれば、スピード感。特に誰かから頼まれた(お仕事)に対する「よし、このアイデアでいこう」という決断の速さ、思いきりの良さと、そこからの集中力は、きっと若さ特有のものでもありますが、仮に年齢を重ねて減速をしたとしても、そこで得た感覚だけは意外とずっと自分の中に残ります。息子が将来何をするのかはわかりませんが、それはきっと自分を支えてくれるものになるはずで、何より12歳という年齢で今回のような経験はなかなかできるもんではありませんから、S氏、ひいては ギャラリー6c さんには「息子に貴重な経験をさせてくれてありがとうごぜぇますだぁ」と土下寝で感謝している次第です。
ことほどさように。はじめて自分で値段をつけて展示販売をしてもらう作品をオーナーに納品するときの顔はひきつって、手は若干震えているようにも見えましたが、親の力を借りずに(プリンター指導と納品時のドライバーは除く)やりきったことは褒めてつかわそう。仕事って、たのしいじゃろ?
◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です