2023.12.13
20231213
そういえば。先週末、季節外れの暖かさだった土曜日の夕暮れ。急に思い立って、私はひとりで釣りに行きました。場所は、我が家から混んでいなければ車で30分の場所にある、南芦屋浜にある人工島。関西圏にお住まいでない人も一度は聞いたことがあるだろう、あの超高級住宅街 “芦屋” の芦屋でございます。
この季節ですから釣場に到着した17時ごろはもう真っ暗。12月の土曜日のすっかり陽が落ちた17時。可能な限りの軽装備ではじめての一人釣行。竿一本と15cm四方の小さなちいさなポーチに最低限の道具だけを入れて、20時ごろまでルアーを投げました。魚は一匹も釣れませんでしたが、言わずもがな、何ものにも変え難いすばらしい時間でございました。
ときに、私、45歳。昨年の8月から突然訪れた釣りブーム。私と同じ趣味の同年齢の男性がいたとして、そして、私と同じような状況で一人で釣りに行ったと聞けば、「へぇ、いい趣味してるね」とは思いますが、その一連の行動について何ら不思議に思うところは一つもありません。
それなのに。それだのに。だのに、なぜ。私が友人・知人に「この前さ、釣りに行ったんだけどさ」と口にすると、皆一様に「・・・えっ!? 一人で!? なんで!?」と驚かれるのか。挙げ句の果てには「すごいやん! 一歩前に進んだやん!」と褒められる始末なのか。
私、たとえば、数年前にブームとなった “おひとり様” というキーワードにまつわるあれこれを遂行できないタイプではございません。居酒屋だって、焼肉だって、映画だって、行ったことはないですが行きたくなったらカラオケだって、なんだって、別に一人で平気です。そもそも、私は一人暮らしも長かったですから、“一人” というキーワードは私という人間に属さない言葉ではないはずなのです。おそらく、それは周囲の人からも同意していただけることと思うのですが、ことほど左様に、そんな “一人” というキーワードに “アウトドア” というキーワードが加わることで突然その様子は一変するようなのです。
回りくどい書き方をやめますと、「嘘つけ! お前みたいな超インドア人間が一人でアウトドアに出かけるわけがねぇ!」ということでございます。まぁ、そう思われても仕方のない生活を送っている自負はありますが、まさか、あんなにも、こんなにも、驚かれるなんてね。もう45歳だよ? 釣りぐらい一人でふらっと行くさ。そもそも趣味だって言ったじゃーん😆。
ふと、この仕事部屋を眺めてみる。うなぎの寝床のような細長い部屋の奥には約1年半という期間で集めた釣り道具たちが整然と積まれている。高価なものはひとつとしてないけれど、どれもワクワクしながら買ったものだ。釣竿だけでも10本はある。え、10本もある。ほとんどがピカピカだ。そりゃあもう、ピッカピカだ。
・・・なーるほど。そりゃ、みんな驚くよねっ❤️。
◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です