2023.11.16
20231116
みなさん、パソコンやスマホ、はたまた最近ではカーナビなど。いわゆるネットを介して使用する機器から何かしらの伝言があった場合、「このメッセージ、どうします? 折を見てまた伝えましょうか? それとも、もう必要ないっすか?」と聞かれることがあると思います。
その際、「今後このメッセージを表示しない」という選択肢がババンと出されるかと思いますが、みなさんは、あのボタン、あの恐怖のボタンを押すことができますでしょうか。
私は、なかなか押せません。9割型、おそらくその伝言は今後必要がないだろうと推測される場合でも、「いいや、未来の私にとって、この伝言が必要になる可能性がないわけではない」という思いがふっと秋風のように脳裏をふっと吹き抜けて、「×」なり「キャンセル」をするなりし、なんとかその場を切り抜けてやりすごす毎日です。
実際問題、届けられた伝言が以降必要になった記憶はありませんし、仮に「えー、前にも伝言して警告しておいたはずだけど?」といった場合がこれまでにあったとしても、何か問題があればその都度で対応をしているはずですし、そのことで只今現在のっぴきならないことにはなっておりません。たぶん。
ともあれ。なんというのでしょうか。「説明書は読まねータイプだから、“今後このメッセージを表示しない” 。ポチッ」という豪快なタイプ。「わかった。すべて理解した。だから、“今後このメッセージを表示しない” 。ポチッ」というネット機器への高いリテラシー保持タイプ。そんなタイプに私はなりたいと常々思ってはいるのです。でも、できません。
なんなんでしょうね。私はそんなふうに “今後このメッセージを表示しないボタン押せない人間” ですから、いまだに VHS やら MD やら CD やら本やら漫画やらも「いつかまた必要になるかもしれないし・・・」と捨てることができないのかもしれません。いいえ。私はそういった理由で捨てられないのではなく、あくまでも “物” に対する敬意と愛着によって捨てることができないと信じていますので、これ以上、自分への追求をすることは自分をいじめることになってしまいますからやめておきますが、今日も今日とて。件の「今後このメッセージを表示しない」をカーナビ上で回避しましたが、そんな “選択” という人類にとっての最大のストレス要因を突如ぶつけられたことで、 いったい何の伝言が届けられたのか、肝心なことはすでに忘れている次第です。
ぜひとも、今後は「今後このメッセージを表示しない。ただ、なにかあっても、まぁ、なんとかなりますよ」という一文を添えていただきたいと心から願っております。
◎【Today’s Memo】は平日の毎朝8時に更新。atelier naruse 代表・早川による、ちょっとしたエッセーのようなもの、です