who am ?I

PAGE TOP

  • 04
  • 27

モームさん

スキャン4816.jpeg『月と六ペンス』

きょうも ななめよこになりつつも 4ページ。
これを人差し指で打っていたときとは進化してますね。それでも打っていたときにはなかみがしっかりと読み取れて気持ちがよかったんです。そういうよさもあるんですよ。
さて

わがままを通り越したようなストリックランドを これほど迄もうまくなだめすかして、私はストルーヴは気高いやつだと私は思う。この私と言うのは登場人物のうちでただ一人名前を持たない人じゃなかったでしたっけ? その前自分は「彼」と言ってましたが,彼はいろんな名前の代名詞に便利なだけに ややこしくなってくるのです。しかし 本当に一回も名前が出て来なかったのかは後戻りしてみないとわかりませんね。
あんなにストリックランドのことを嫌っていた夫人ブラーンシュでしたが、相変わらずかれのことを嫌っているのですが それがとても献身的な看病をするのです、何でもちょっとの間 看護の仕事をしていたとかで。もちろんダークもそのことにとても感謝していますね。

「わたし」は思っている
ストリックランドは 彼の顔には途方もなく肉欲的なものがあらわれている。しかし、ばかばかしく聞こえるかもしれないが、その肉欲には奇妙に精神的なものが見える。この男にはどこか原始的なところがある。ギリシャ人が半人半獣のサターやフオーンの姿で擬人化した、あの捉えどころのない自然の力を、彼も帯びているようだ。大胆にも神と音楽を張り合ったために皮をはがされたあのマルシュアスのことも私は思い浮かべた。ストリックランドは心の中に、聞いたこともない和音と、試みたこともない図形を抱いているらしい。彼はきっと苦痛と失望のうちに最後をとげるだろう。又しても私は、彼に悪魔がとりついているという感じを受けた。しかしそれは必ずしも邪悪な悪魔であるかどうかはわからない。何故なら、それは正邪の区別もなかった頃から存在した、原始的な力だからである。

これだけのものが ストリックランドのなかに見えるとは 彼がすごいというよりもそれを見た「わたし」
のことに感心します。俳優でいうとだれかなあ、山崎務がそういう感じかなあなどとか想像してみるのでした。お客さんはどーです?

マラルメ(1842−98、フランスの詩人)の詩集に夢中になっていることもある。
又時には、ガボリオー(1833−73、フランスの探偵小説家)の探偵小説に没頭していることもあった。

彼は、体の弱っているときでさえ、体を楽にしようという考えをまるで持っていないらしい。

彼は自分のことを話さないけれども こうして「私」の目とおして こんなに見えて来るのです。
《 2021.04.27 Tue  _  読書の時間 》