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本の虫
本にね 極小の虫が いたの
住所は その本
朝昼晩のくらしぶりは どうかな
じっとしてるのもなんだから
きょうは 散歩に出るか 虫の極小のつぶやきだ
ほこりにであったり ほかの虫に出会ったりして
迷子になりそうになりながら
その本に もどる 帰宅だ
そんな虫を つぶしてしまった
いっぽんの すじ
これが 肉体のすべて
同じ命かぁ
私に見つかりさえしなければ
この本で平凡なくらしをしていたのかも
手が冷たいなあ わたしの手
寒い このでかい肉体のわたしの手の
つめたいこと
《 2020.02.08 Sat _ ペラ本 》