銃弾の飛び交う現場にいたその人は
全速力で 逃げながら
携帯電話がそのとき なりました
走りながら
こんなときに だれからや
そう思ったという はなしを ききました
それは 奥さんからの国際電話で どういうわけか
ガスがでない(おゆがでない?)けど どうしたらいい
そのようなものだったらしいです
そのとき わたしは わらってしまいました
その大柄の人は 逃げる格好をしながら ぽけっとを
気にしてる様子をしてみせてくれたからです
その話は 末っ子の話から始まりました
奥さんとうちの息子が末っ子で
うちの息子は その姉が 仕事で手が離せない時に
あんな ケイタイを買い替えようと思うねんけど
なんとかとなんとか どっちがいいやろ
と話しました
ま そういうところが この話と ちょっとにてるかな
たしかそんなふうでした
わたしは そのあと このはなしを何回か思い出しました
やがて それは 笑い話じゃなくて
この地球で 平凡な日常と 全速力で逃げ惑うときが
あることに 気づき
わたしの 描いてきた事は 日常が多いけど いやいや
全速力とは言えないけれども 逃げる格好によく似た姿
あるよなあ それでも 絵では日常を描いてるなあ
などと
あの話から いろんなことを 思うようになるのです
これからも まだ出て来るような気がします