去年 夏目漱石の『こころ』を少しずつ読みました
一回ぐらい 日本のすごいと言われている小説家の本を
読まなくちゃ そんな気持ちで
これは文庫本で かるいこぶりの体裁でした
しかし重かろうが 軽かろうが 一冊は一冊ですね
2ページずつ読むのは日にちがかかるものですね
その間に 本を読むという事は どういうことなんだろうなどと
考えたりするのです
作家はひとりごとなどで 曖昧なことを言ったりするのですが
そういうもつれたような文ではないのだなあとか
めしのひとつぶひとつぶがたっている
そういうふうなことを言いますが
文章においても2ページよむだけでも そういうふうに思えるのです
それはさいごまで 変る事はなかったと 思いました
この本はどういう事が書いてあるんだろう
本の中身というのは これ一つではないんですね
味 平凡な日常 いなかの親元でのやりとり その村の風習
どれ一つをとってみても 様子が 見えて来るようです
だけど おおげさに 突出したようにほめたくなるのではなく
落着いているのです
自分は日記を書いたりすることで 文章を書いてると思っていましたが
その文章は どっか目立った事を書いてみたり 悲しかったとか
うれしかったとか それはちりちりばらばらで よしとしているのでしょう
ところが 『こころ』は人体で言えば 全体の組み立てがあり
一本の骨でもおろそかにしていないというか 読者は ひっぱられていくのです
だから 結果的には読んでしまえたのだろうと
内容を説明するのが苦手という事もありますが そこのところにひかれたのです
もうちょっと うまく説明できたらなあ