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こころ 夏目漱石

「こころ」夏目漱石 先生と私 つづき

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 冬が来た時、私は偶然国へ帰らなくてはならないことになった。私のは母から受け取った手紙の中に、父の病気の経過がおもしろくない様子を書いて、今が今という心配もあるまいが、年が年だから、できるなら都合して帰って来てくれと頼むようにつけた足してあった。
 父はかねてから腎臓を病んでいた。中年以後の人にしばしば見るとおり、父のこの病は慢性であった。その代わり用心さえしていれば急変のないものと当人も家族のものも信じて疑わなかった。現に父は養生のおかげ一つで、今日までどうかこうかしのいできたように客が来ると吹聴(ふいちょう)していた。その父が、母の書信によると、庭へ出て何かしているはずみに突然眩暈(めまい)がしてひっくり返った。家内のものは軽症の脳溢血と思い違えて、すぐその手当をした。あとで医者からどうもそうではないらしい、やはり持病の結果だろうという判断を得て、はじめて卒倒と腎臓病とを結びつけて考えるようになったのである。


日本語を読んでいます
なんてことですが 「父の病気の経過がおもしろくない」 というところで おもしろくないというのかと
ここはこういう日本語を使うのか 「こころ」を読んでいますと時々出会います
漢字にしても パソコンで書き写すから書ける難しい漢字があります
この本では ふりがながうってあります
《 2019.02.18 Mon  _  読書の時間 》