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2008年東京物語

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わたしは 自分のファイルの中から 2008年「東京物語」をみつけた
10年前のわたしは こんな旅もできたと 読みながら 思う

     ・・・
東京というところへ行って来た
2008年四月
出発点は松川村
もうちょっといえば長野県の信濃松川駅
しなのの濃っていう字 あってたっけ?
ここが住んでいる所
その駅で出会った人が 70歳の女性
なんでも東京に住んでいる人なんだけど ご主人の親戚が
この松川村の人らしい

で そのご主人のみうちに 不幸があったので
松川村まできたという
そのご主人は30年前に亡くなっている
それで はじめてこの松川村にきたので
不安なんだそうだ
どういうことかというと
彼女は 東京まで無事帰れるんだろうかと
心配なんだそうだ
かたや わたしは この松川村から新宿まで
ちゃんと行けるんだろうかと心配なのだ

そんな二人
あっ わたしは
どうしてかというと 
大きなコートをうでにかかえて ゴロゴロを(キャリーバッグ?)
ひっぱり ショルダーバッグをななめにかける
それだとお金を出すとき 大変そうだし トイレにだって行きにくそう

彼女は リュックをおんぶして 2つの袋をもっている
2人は優先席にこしかけた
おしりごとだから ドスンと音が
こしかけても じゅうぶんな年齢だねと 笑い合った

そうそう 彼女は70だときいたけど わたしは58だと
いっていない

優先席は三人はすわれる 4人かもしれない
でもだれも前には立っていないので 彼女はリュックを
座席におろす いいねといいながら

こちらは桜の花がまだのところが多いんよと
わたしがいうと 彼女は 東京はもうちりましたよ と
いった

 おとなりさんだから 少し話をした
なんでも 彼女には3人の子供がいて もとは横浜に住んでいたんだけど
今は娘のいる東京に住んでいるんだという
2年前に長男が脳溢血で 53歳で亡くなってしまったんだそうだ
長男の子も長女の子も 家を出て結婚したり仕事をしたりしているという
じゃあ 娘さんと二人ぐらし?ときくと そうだという

わたしは 今二人暮らしなんだけど 年寄りネコがいるから
外に出にくいというと うんうんとうなずいている
旅行なんかに行くのと 彼女に聞いてみると
うちは娘とはあまり行かないけど 東京に姉たちがいるので
いつもどこかに行こうと さそってくれるという
女きょうだいでいいねと わたしはうらやましそうにいった
彼女は そうねといった

彼女はこの電車のアナウンスがよく聞こえないねという
どうも 電車の継ぎ目の音がアナウンスを じゃましてるようだ
そのことをわたしがいうと 
そうね アナウンスがかき消されるねと わたしはいった
だけど 松本が終点だから大丈夫と 彼女の心配げな顔に
笑いかけた それにわたしも 少なくとも松本でおりるのだから

わたしは 娘が東京で個展をやっているから いま ここにいるのだけど
と それから いちいちそこにたどりつくまでの 道順を彼女に話した
ーー わたしは 東京にいって そうそう新宿にいって それから山手線のええっと
内回りににのって 目黒という所に降りて こんどは東西線にのって 白金高輪
というところに 降りるの
そこで1という番号の所を出て 5階までエレベーターにのるの
その5階のエレベーターは役所の支所のようなところにあって わからなかったら
駅員さんに聞いて そこを出ると 娘が展示会をやってるビルはみえているらしいんだけど わたしにいけるのかしらという

駅はしばらくいかないうちに かわっていたりして 全く東京に住んでいても
わからないことがあるのよね と彼女がいうーー


このはなしは 一冊のファイルになっている
お客さん 続き今度にしていいかな
《 2018.09.03 Mon  _  思い出 》