NEKO美術館 成瀬憲子

朝ドラでは　主人公の名前は　「すずめ」ですね

わたしは　だいぶまえから　「こすずめくんとすずめくん」の

ぺらぽんを　つくっていました

鳥の中でも　一番親しんでいた　鳥ですから

さていきますかね

＊

このばあい　こすずめくんは　こがらで

すずめくんは　おおきいのです

ま　そうですよね

ところで　電線にすずめたちが　ならんでとまっているでしょう

あれ　すずめのがっこうなの

そのなかにこすずめくんとすずめくんがいます

こすずめくんの　右どなりがすずめくん

たくさんのすずめとすこしはなれて　とまっているのが

すずめの先生

先生は　ちゅういすること　ほめること　おしえること

そういうことをやっています

でも　とてもほねのおれるしごとです

なぜって　いろんな生徒がいるからです

なぜって　じゃりじゃりと　おしゃべりが　おわらないんですもの

「ただ　うるさいだけだから　気をつけましょう」

そんなふうにちゅういします

「しつもんをすることはとてもいいことです

じゃりじゃりが　ぶつからないように　うまく　しつもんしてください」

「先生も　すずめですから　わからないこともあります　そのときは

いっしょにかんがえたり　くびをかしげたりしましょう」

すずめくんが　はいと　しつもんします

「ぼくは　しつもんしたいのですが　しつもんすることがみあたりません

これは　いけないことでしょうか」

先生は　さきほどいったとうりに　くびをかしげました

「すずめくんは　どうして　そんなふうにおもったんですか」

すずめくんは　「いまさっき　ねこにおっかけられて　はーはーしてどきどきして

ねこはこわいということしか　あたまになかったんです」

先生は「なるほど」とつぶやきました

「先生も　いまのようなことがあったら　はーはーしてどきどきしてしまいます

それは　とてもいいしつもんになりましたね　そういうときは　どうしたらいいんでしょうね」

すずめくんは　みんなのことをみました　で　こすずめくんが　てをあげました

「はい　ぼくは　はーはーどきどきしたあと　こういうふうにかんがえます」

「ねこになくて　すずめにあるものは　なにだろう　って」

すると　女学生が　てをあげました

「はねです」

ほかのすずめもくちぐちに　「さっととべるはねです」「でもねこのめは　まほうのように　めじからがあって　こわいです」「すずめには　勇気が必要です」「そのときは

じゃりじゃりなど　おしゃべりはきんもつです」「さっときりかえる　きりかえりょくがひつようです」「木に向かってとんではいけません」「ねこはきにのぼれますから」

「くもにのるのもようじんしなきゃ」「あながあいて　おちるかもしれません」

先生が　「はい　ここらへんで」といいました

「すずめくん　とてもいいしつもんでしたね　というのは　しつもんをしたあと

はなしが　げんきに　もりあがるのが　いいしつもんなのかもしれません

これは　きょうの先生の　皆さんからのプレゼントです

どうもありがとう　感謝します　とええっと　もうひとつなんでしたかね」

こすずめくんが　いいました　「先生は　この３つのまほうのことばを　おしえてくれましたが　さいごのことばを　いつもわすれるんですね　忘れっぽいですね」

先生は　あたまをかきかき　いいました

「そうですね　ところで　こすずめくん　それをいうのを　忘れていますよ」

こすずめくんは　「てへ」っとはずかしそうにいいました

「ついてる　ついてる　です」

さあ　みんなでおひるごはんに　いきましょう　ねこにはくれぐれもきをつけて