NEKO美術館 成瀬憲子

ふあさんからの　おたよりです。

「堅い影」

うわぁ、天気のよい日は外出したくなくなるね。

影をよけて歩きゃなきゃならない。

よそ見してたら、影にぶつかって怪我をしてしまう。

女の子と男の子がデートする時

「おい、影をボクにぶつけないように歩いてくれよな、さっき痛かったあ」

「あたしもよ、あなたがスマホ使っている時、あなたの腕の影が私に当ったのよ」

「あのさあ、これからデートする時はなるべく夜、街灯の少ないところでしようよ」

「うん、その方が安心してできるね。暗くてロマンチックだしね。

影がとても軟らかかった時代が懐かしいな。その頃は暗い道が怖かったわ。

女が一人で暗い道を歩くなんて、誰かに襲われるかもしれないし....今はそれどころではないね。」

「今は大丈夫だよ。痴漢をしようとする人は懐中電灯を持っていなくてはならないという

法律ができて、もし電灯なしに痴漢したら重罰になったものね。影のたくさんある個室に入れられて動くたびに影にぶつかってすごく痛いらしい」

「でもね、その法律、大ヒンシュクものなのよ。女の子が、それと痴漢しない男が、懐中電灯を持ってよる歩けなくなった。夜って暗くて男女の区別がつかないから、電灯で照らして歩いてるだけで痴漢と間違えられてしまうんだから」

「堅い影っていやだなあ」

「そうねえ、いやね。影はもっと控え目でなきゃ嫌だわ」

面白い絵ですね。

影をよけながら歩く様子を想像してしまう。

＊＊＊

ふあさん　「電灯なしに痴漢したら重罰になる法律」

これは　イッセー尾形あたりに　寸劇やってほしいくらいですよね。

妄想をふくらませる　お役に立てて　おそれいります。

この絵は　かって　NEKO美術館に出したと思うんですが　この絵は

ちょっと　みかたをかえてみれば　面白いかなと。

影を　描いているうちに　そこんところに　気がいってしまって

つまり　へたなんですが。　

で　ふあさんのように　さらにふくらませてくださるとは

ありがとうございます。