「けったいなアメリカ人」 米谷ふみ子著 集英社
ミラー、メイラー会談傍聴記 つづき
メイラー 「僕もキョン・ドス・パソスが好きで、『裸者と死者』は彼を真似て書いたんです」
ミラー 「まだ他に好きやと思た作家がおるかなあ。フォークナーの友人、シャーウッド・アンダーソン。最初はシャーウッド・アンダーソンのように書きたいと思てましたんや。そのあとは、トーマス・マンのようにとね。ピカソがこう言うたのを読んだことがある。自分はいろんな絵描きのように描きたいてね。そういうことで、自分の動機というもんが何やと判りましたんや。それからはそれに忠実に従いました。最も大きな影響を僕に与えた作家は、クヌート・ハムスン(ノルウェーの作家、ノーベル賞受賞者)。今日に至るまで僕の好きな作家です。彼の本を六回も七回も読んだなあ。他の人の本で二回も読んだというのはないのやがね」
メイラー 「ジェイムス・ファレルが僕にとってはクヌート・ハムスンのようなもんです。大学の時、彼の『スタッズ・ロニガン』を読んで熱狂しました。それで作家になりたいと思ったんです。それ以前は『The Broad Highway』とか『Amateur Gentleman}というようなのを書きたいと思っていました」
ミラー 「そうですか」
***
わー 知らん作家が出てくるなあ。ま 知らん方が多いのははじめから判ってることですけどね。
ピカソがこう言ったんですね。
「自分はいろんな絵描きのように描きたいてね」
「それで自分の動機というもんが何やと判りましたんや」 ピカソめ ミラーにもこんなに影響を与えてたんや。
私もそうでっせ ちびですけど。 私は ピカソから 「描きたいようにどう変化してもいいんや」それを「変化」というてましてんけど。「絵だけでなく表現はやりたいと思ったときには 実行」とか。
やはりミラーやメイラーのような人より 浅い感じはしますけどな。世間にもまれるのが肩をもまれるよりずっといやですねん。なんてことを ここら辺の会談を読んでますと 言ってしまいますわ。
***
あーいっしょになってもりあがってしまいましたわ。
絵描きになりたいと 自分が思たのは 小学校の時 絵を先生にほめてもろた時。
ゴッホの画集を見た時 ピカソの画集もそう。ルノアールだってロートレックだって。熊谷守一だって。多すぎるかなぁ。
ところで これはね 布。
布ってぬったり はりつけたりしているだけで うれしいですね。 私も女の子なんですねえ。 で 年月が経つと もっとなにかおいてみたくなります。
「意味のないことをする」
まえは それは どうかなと思てたんですけど いまごろ それがいいんです そう思います。
きのうの将棋大会 えらい人気ですなあ。
そこで考える自分なんですけど この布のうえに 向こうの人とこっちの人で もちごまをおいてみる 遊び。
自分はあそび8段 むこうさんは何段かなあ なんてふうでね。