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けったいなアメリカ人

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「けったいなアメリカ人」米谷ふみ子著 集英社

ミラー、メイラー会談傍聴記 つづき

 多くの人が、用もないのにこのドアをノックするからであろう。私もその一人に違いない。
 あれだけ何度も夫人を取り換え、八十五歳になった作家はきっと気むずかしい老人だろう。私は門前払いを食うかもしれないと、びくびくしながらディックの後ろに隠れるようにして立っていた。
 ドアを開けたのは、水色のスウェットシャツを着た、年恰好二十七、八歳のがっちりとした若者だった。
「ハイ、僕、トニー・ミラーです」
「ディック・シャープです。僕の友人、ジョシュ・グリーンフェルド、彼のワイフ、フミです」
「どうぞお入りください。父が待っておりますから」
 青年はとても人を扱い慣れた仕草で私達を中に導いた。彼がヘンリー・ミラーの息子(何番目の夫人の子供かは知らない)で、ヘンリーの秘書をしているトニーであった。ヴェトナム戦争の兵役を忌避してフランスへ逃げていたそうだ。自分も本を書きたいが、父親の事務が一杯あってその暇がないという。顔つきは父親と全く似てなかった。

***

トニー・ミラー ミラーの秘書をしている息子さんですね。
ここはもうわたしのへたな説明などより 読んでいただいた方がいいですね。

で かって長野県の大町という所にあった「ヘンリー・ミラー美術館」でミラーの作品をたくさん見たのですが ここで私はミラーの言ったことや水彩画にとても惹かれました。
いまでも ときにミラーの言葉を読んでみるのですが あきることはないですね。そのうち ふらっと出てきたらご紹介しますね。

上の写真はノリコ・リーの作品です(笑い)。布に綿を入れて眼を刺繍して わたしはこういうのを「顔だけ人形」とよんでいるのですが 暗くてわかりませんか? ヘンリー・ミラー美術館も薄暗い所に明かりがぽっと当たってて そのなかにミラーの水彩画がうかんでるんです。画集でもみましたがこの証明の雰囲気が絵を魅力的に見せていました。けっこう館長さんともお話ししたりしました。なつかしいですが 今はありません。 
《 2017.06.07 Wed  _  1ぺーじ 》