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ナマリの兵隊

「ナマリの兵隊」 文 ハンス・アンデルセン
つづき

 この踊り子も、気のかわらない、やさしいむすめでした。
 ナマリの兵隊は、すっかり心をうたれて、ナマリのなみだを、ポロポロ、こぼしそうになりました。けれども、泣くなんて、兵隊らしくないと、おもいました。
 ナマリの兵隊は、じっと踊り子を見つめ、踊り子のほうでも、ナマリの兵隊を見つめました。けれども、どっちも、ひとこともいいませんでした。
 そのとき、一人の小さい男の子が、ナマリの兵隊をつかんで、ぽいと、ストーブのなかに
ほうりこみました。
 どうして、そんなことをしたのか、べつに、わけはなかったのです。これも、きっと、かぎタバコの箱のなかの、あのわるい鬼のしわざだったのでしょう。

***

わたしもすっかり心をうたれました。
《 2017.04.14 Fri  _  1ぺーじ 》