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ナマリの兵隊

「ナマリの兵隊」文 ハンス・アンデルセン

 舟は、もう、運河のすぐそばまできてしまったので、とめようもありません。かわいそうに、ナマリの兵隊は、できるだけ、からだをしゃちこばらせました。かた目をパチクリさせたとしても、おおめに見てやらねばなりますまい。
 舟は、三四ど、くるくるまわったかとおもうと、船べりまで、水でいっぱいになりました。もう、しずむよりしかたがありません。
 ナマリの兵隊は、くびまで、水につかりました。
 舟は、下へ下へと、しずんでいきます。紙は、ますます、くにゃくにゃになりました。水が、すっぽり、ナマリの兵隊のあたまの上に、かぶさってしまいました。
 そのとき、ナマリの兵隊は、もう二どとあえないかもしれない、あのきれいな、かわいらしい踊り子のことを、おもいだしました。
 そのとき、耳のおくで、こんな歌がひびきました。
 「すすめ、つわもの、いざ、すすめ!死が、おまえをまってるぞ!」

***

なんだか もう読んでみるだけで ほんとうに名作ですね。
えっ もう 動かされました ほんとに。だから打ってみることだけにします。
《 2017.04.09 Sun  _  1ぺーじ 》