「ナマリの兵隊」 ハンス・アンデルセン 岩波書店
つづき
テーブルの上には、まだほかにも、いろんなおもちゃが、いっぱい、ならんでいました。なかでも、一ばん、目をひくのは、きれいな、紙のお城でした。
小さなまどからは、なかのへやが、すっかり見えました。お城のまえには、ちいさなかがみをかこんで、かわいい木がたっていました。このかがみは、池のつもりなのです。そしてその上には、ろうざいくの白鳥がうかんで、水にうつる、じぶんのすがたをながめていました。
なにもかも、とてもきれいでした。けれども、一ばんきれいなのは、お城の入り口に立っている、かわいいむすめでした。
そのむすめも、やはり、紙をきりぬいてつくったものでしたが、とびきり上等の、モスリンのスカートをはいていました。そして、青くぬった、ほそいきれを、スカーフのように、かたにかけていました。そのきれのまんなかには、かおくらいもある、大きなきらきらしたかざりが、ついていました。
そのむすめは、バレエの踊り子でした。りよう手をあげて、かた足をとても高くあげていました。あんまり高くあげているので、ナマリの兵隊には、それが見えないくらいでした。それで、そのむすめもやはり、一本足なんだろうとおもいました。
***
「そのむすめは、バレエの踊り子でした。りょう手をあげて、かた足をとても高くあげていました。あんまり高くあげているので、ナマリの兵隊には、それが見えないくらいでした。それで、そのむすめもやはり、一本足なんだろうとおもいました。」
なるほどなるほど。
きれいな紙のお城 まどからはなかのへやが すっかり見える そうなんですね。
池のつもりのかがみ そこにろうざいくの白鳥 うまいぐあいですねえ。
うなずきながら さし絵を見たり よんでいます
おぼえていないからです
みなさんのなかには こんな世界を 作ってみる人が いるのかも