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ヴラマンク

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「夫人像」 ヴラマンク  L'ARTMODERNE 河出書房 昭和29年

トビ色の髪、白っぽいハダ色の上には、つぶらな清らかな青い両眼と青い耳飾りに、美しく反映するために、両頬には淡い紅がにじみ、濃い口紅がさされている。シャツは白、服はオリーブ緑と黒。背景はセピア色の濃淡。
F6号の画布で、ヴラマンク夫人の肖像である。彼は家族とか知友人の肖像しか描かない。しかし彼にいわせるとー個有の人の肖像は写真のアルバムと同様に、その所有者だけの興味しか持たないが、優れた画家は個有人の肖像を描きながら、一般の人間像を描くのだ...と。 人はヴラマンクといえば風景、雪景...というのだが、この風景画家が稀に描く静物は実に人間の生活に密接なものだが、肖像は更に彼の純良な、人間的な性格を表現していて、その魅力は実に愛すべく、珍重すべきー人間像ーである。(里見勝蔵)

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ヴラマンク 私が知っているこの画家の絵は 雷が落ちた後のような風景だったように思います。「こんなに激しく描かんでも」とあまり好きではありませんでした。
だから「ピカソとその周辺」でも拳闘好きの男というぐらいにしか とらえていませんでした。 で 最近この画集にて 「おっ いいやん。 なんで妻の肖像画や 自画像をもっと大きく取り上げへんかったのよ」と思いました。(あんたが知らんかっただけやん!)
 「肖像は彼の純良な、人間的な性格を表現していて、その魅力は実に愛すべく、珍重すべき人間像である。」里見勝蔵
ほんまほんま
ヴァン・ゴッホやセザンヌの蒐集家である ドクトル・ガシェと親交を結び その画家たちの作品に感動しています。 マティス ピカソ ブラック ドランと ヴラマンクのまわりには すごい画家がいたということになりますね。

里見勝蔵のこの「ヴラマンク夫人の肖像」の解説はとてもいいですね。この画集はカラーばかりではありません。 
この作品はヴラマンクの自画像がカラーなのに対して 白黒なんです。
それには夫人がどんなほおをしていて どんな口紅でどんな目の色をしているか どんな色の服なのかを 里見さんは 書いています。白黒であっても とてもいきいきとこちらには見えますが 里見さんの表現で さらに見えてきますね。
《 2017.03.07 Tue  _  1ぺーじ 》