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おはなし

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文太くんとテレビ  NEKO美術館発  1978

文太くんはテレビが大好きです。
ごはんの時も ごろんとねころんだりして
「いつまで ごろんとやってるの。はやくごはんをたべなさい」
お母さんにしかられました。

それこそ 毎日です。
しかしなんでも 毎日やるということは いいことかもしれません。

さて おどろいたことに 文太くんに テレビ局から
招待状が来ました。ね きっと毎日テレビを見てたからですよ。

「文太くん、あなたは毎日何回もテレビを見てくださってますね。
調査しましたらわかりました。
つきましては そのお礼に 大テレビ村一泊旅行にご招待します。」
そう書いてありました。

もちろん文太くんは よろこびました 「うひゃー」っとね。
その日が来るのが まちどうしいったら。

そして その日はやってきました。
文太くんはドラえもん式のなんでもどこでも円盤のお迎えで
大テレビ村につきました。 あっというまにね。

もう入り口から テレビのかたち。
「うひゃー」と文太くんはまた叫びましたよ。

まずテレビ局の社長さんにご挨拶に行くことになりました。
テレビのかたちの門を110回ぐらいくぐってね。

さてちょっと腰が痛くなりましたが 社長室では
蝶ネクタイをつけたロボットの社長さんが
ていねいにしゃべりかけましたー「ようこそ文太くん。さあさ ジュースでも。
きみは どのくらいテレビが好きかな?」

文太くんは 「世界じゅうで一番!」大きな声で言いました。
社長さんはにこにこして「ほー それはすばらしい!」

そして 文太くんに社長から「何でも何処でもいくらでもスイッチ」が手渡されました。
「これが わたしから文太くんへの 贈り物ですよ」

さてさて 文太くんは どうしたでしょう。
実は このお話はここでおしまいです。

なんでもそのあとに

「想像」とあります。

みなさん 時代はどんどん歩いていまして かのテレビが「大好き」と叫ぶ
子どもが あまりいないのです。これは「想像」できないことです。
そして いつまでもテレビにしがみついているのは じつは「いつまでもテレビを見てないでごはんを食べなさい」とどなったお父さんやお母さんです。
いまやおじいさんやおばあさんですがね。そうそう「想像」でしたね

さいならさいなら


《 2016.08.25 Thu  _  ペラ本 》