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ヨーロッパからの手紙

フーフー通信 交野日記 1985 夫
「ヨーロッパからの手紙」の続きです。 もう忘れかけてますか? わたしも 忘れかけてました(笑)

 ところでパリ四泊五日の滞在でいくら使ったと思いますか?二万円足らずなんですよ。パリからリスボンまでの交通費が約一万八千円。パリに着いたとき四万円をフランに換えたのですが、まだ三千円ほどあまっています。食べるもの、交通費は、日本より安いみたいです。たえずお金を使うたびに日本円でいくらかなと、二人でお金の計算をしていたのですが、これまでのところ僕たちの使ったもの(ホテル代は別としても、パン、ワイン、ハム、サラミ、野菜、果物、缶詰、地下鉄、タクシー、美術館入館料、タバコ、その他)みな日本より安かったです。ポルトガル、スペインは、ぐんと安いとのことですから、この旅行をさそってくれたUさんが言ってたとおり、旅費込み五十万円は、ひょっとしたら本当かもしれません。それにしても、話は旅行前のことになりますが、Uさんが先月半ばに、「アフリカへ行かへんか。二カ月間、旅費込みで五十万円で行くんや」と電話があった時は、そんなに安く海外旅行ができるのやろかと半信半疑でしたが、その半信半疑のまま、その日のうちにその気になり、ほんなら、百万円(二カ月間の妻子の生活費含んでの)ひと月でためるわと、いってしまったのがなんとか実現し、今パリからポルトガルへの列車に乗っているのも、おかしなものです。
 それにしても二日前から左の膝のあたりが痛み出したのが困りものです。ポルトガルではゆっくりしたいと思います。
 順序は逆になりましたが、昨日(二十三日)はモンパルナス駅から電車に乗って、ベルサイユ宮殿の方へ行ってきました。宮殿のゴーカケンランさはともかく、たくさんの小学生たちが先生に引率されて見学に来ていたのですが、その子どもたちを見ている方がたのしかったです。
 今、フランスとスペインの国境の駅アンダイです。両国の鉄道線路の幅がちがうらしく、列車を持ち上げて車輪の間隔をせまくしているところです。ではまた。

***

夫が39歳くらいですか。こどもは生まれたばかりで その数は5人。
夫のこの決断のはやさは はやすぎて もじもじわたしが考えている間に きまってしまいます。二カ月ですよ。夫がこうしてたよりをよこす頃 無性に腹立たしくなって来るのです。いい気なもんだとね。

いまでも もじもじしているあいだに ことはすすみます。
かといって 旅行につれてってもらうとなうと 心配で もうそういうことはいいから
日常でいたいといったところでしょうか。いろんな面白いところを見ずに もったいないといわれますが 自分の生活してるところの方が よっぽど面白いのです。
じっさい その場所に行って本物の絵画を見て そこの空気に触れる たいがい旅行に行った人は 言います。
わたしはテレビでその場所に行った気分は 何年もそこで生活するような想像力でもって
見ています。そこで暮らしている気分はとてもいいもんです。画集も時間をかけて見たり画家のことを読んだりすると とてもわたしは面白いのです。はなしにならん?

さいならさいなら
《 2016.04.12 Tue  _  思い出 》