世界の美術『ピカソ』河出書房 1963年の続きです。
自分が十代の時に出会ったこの画集さてどんなことが書いてあったのでしょう。
キュビズムの本質 植村鷹千代
パールも「キュビズムは芸術の名に値するすべての絵画と同様に第一義的に感覚的実態であって、科学的実態ではない」と言っているが、ピカソは「キュビズムは絵画の限界内に納まっており、その限界を越えてのり出そうと試みたことはない。キュビズムは、線描、図案、色彩を解しかつ使用するが、その精神と方法においては、他のすべての流派と異なるところはない.....」(1923年のステートメント)とも書いている。
キュビズムに科学的な知識や理論がどの程度直接参加したかの議論はしばらくおくとしても、ピカソの意識にセザンヌの方法が重要な啓示をあたえた事は事実であろうし、線や面の組み合わせや、対象の分解や分析に科学的といっていい理性が積極的に働いたことも否定できまい。今日のことだったら、人々の視覚的認識の方法が科学的・理性的であると、だれでも言うはずである。20世紀は科学の世紀である。そこが19世紀とちがうところであるから、科学的認識の方法は、とくに幾何学や数学や心理学を意識しなくとも、分析され、本質を解剖し、組織的になる傾向がある。建物をみても、外観だけでなく骨組みの構造を認知しようとし、洋服のデザインも、線や面の分解と総合の操作をいっそう組織的に行う方法に進んでくる。
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まずキュビスムも芸術の名に値するすべての絵画と同様に感覚的実態なんだ というはなしですね。そんなことというか そういう言い方をするんだと。科学的実態もどういうことだか。
ええっと つまり 「そういう考え方は科学的じゃないんじゃないの」というあれですかね。「新しいという意味?」「ただ感情だけでものをとらえちゃだめよ」とかちまたではよく耳にしましたよね。時代の空気というか。ちがいますか?
そしてピカソはいうんです「キュビスムは絵画の限界内に納まっており」と。こんなやりとりって面白いですね。平面の中に彫刻のような立体が現れるって不思議ですし 平面なのにそれを可能にするのは視覚のマジック。今じゃそういうことは古い古い?私はそのことにさえも触れていないのかも(笑)
芸術が絵画の限界内に納まってる....そこにセザンヌが出てきます。「セザンヌってそんなにすごいのかい?」ですよね。あの周りの人間に石をぶつけられる事もあった 変わりものの画家が 後にこうして浮上して来るなんて なんだかうれしくなりませんか。
線や面の組み合わせや、対象の分解や分析に科学的といっていい理性が積極的に働いていたことも否定できまいと植村さんはいいます。時代は科学に目覚めて突き進んでいったというわけなんですね。
で植村さんはいう。「今(1963年頃)では 視覚的認識の方法が科学的・理性的であると、誰でも言うはずであると」
ピカソはその時代を知らず知らずのうちに「さきどり」してたんですかね。20世紀は科学の世紀なんですね。19世紀 20世紀 そして
ところで今は21世紀でしたっけ?
あっ白鳥の鳴き声がする。夫のくしゃみの音も。
さいならさいなら