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ピカソとその周辺

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『ピカソとその周辺』
フェルナンド・オリヴィエ著 佐藤義詮訳 昭森社 1964年の続きです。

洪水に遭ったアポリネール

 1910年の洪水の時、かわいそうにアポリネールは遭難した。ある日、彼が気がついてみると、彼の家は水に囲まれていた。そこから逃げ出すのには、川と化した道路を、下水掃除夫の好意の肩車にのせてもらって渡るよりほかはなかった。
 彼はこのエピソードを物語るのが愉快でたまらず、口からはなしたことのないパイプから出るような、嬉しそうな()笑をたてながら浮き浮きした様子で、ピカソの家にやって来た。
 この思い出に満ちたアパルトマンに、かなり長い間、毎日、詩人のルイ・ド・ゴンザーク=フリックが通ったのである。彼は毎朝、ギョームの大好物だった林檎を持って、そこへやって来た。
 この詩人は、かねてから興味をもっていた芸術家の仲間に入りたがり、ギョームをその指導者だと思っていた。確かにオスカー・ワイルドの思い出に感化されて、ルイ・ド・ゴンザーク=フリックは、寸分のすきもない、気取った、凝った身なりをしていた。顔をつくり、粉おしろいをつけ、唇に紅をさし、背が高くて、優美で、片眼鏡をかけ、ボタン穴には花をさし、態度まで大げさなくらい凝っていた。しかしそれも彼を軽薄に見せるほどではなく、私たちを面白がらせたものだ。
 彼には母親があって、彼は新しい友人を彼女に紹介した。彼女は彼らをもてなしはしたが、こうした放浪芸術家たちにはなかなか馴染めなかったし、あまり信用もしていなかったと思う。
 このアルザス婦人は息子の友人たちを特別扱いしていた。マックス・ジャコブは、息子のぱっとしない交友関係に腹を立てた母親の打ち明け話を聞かされるという光栄に浴した。彼女は彼に言った。
「伜が家に連れて来るあの『悪童ども』は、一体何者ですか?」
 これをアルザス弁丸出しで言ったのだが、「悪童ども」という呼び方で、彼女が表現しようとした軽蔑の気持はよく出ていた。
 それにもかかわらず、ゴンザーク=フリックは、最も美しい形式の芸術の、常に熱心で純粋な本当の愛好者だった。

***

アポリネールは洪水に遭って下水掃除夫の肩車にのせてもらって道路を渡ったということがあったんですね。口へんに共で何と読むのかな?いろんな笑いかたを想像しながら。
ピカソの家にやってきた詩人の これが長い名前なんですよね。ルイ・ド・ゴンザーク=フリック、彼はギョームがそのかいわいのピカソたちの指導者だと思っていたんですね。
そうだったんですか?
アルザス弁丸出しのフリックの(省略させてもらいますわ)お母さんに「伜が家に連れて来るあの『悪道ども』は、一体何者ですか?」などといわれつつも 最も美しい形式の芸術の、常に熱心で純粋な本当の愛好者だったんですね。
ヴラマンク筆のアポリネール なんか似てるんだろーなぁ。この本のちょっとした絵ですが あじがあっていいですよね。

オスカー・ワイルドの思い出に感化されて フリックは、寸分のすきもない、気取った、凝った身なりをしていた。顔をつくり、粉おしろいをつけ、唇に紅をさし、背が高くて優美で、片眼鏡をかけ、ボタン穴には花をさし、態度まで大げさなくらい凝っていた。ー

ひゃークリックのことが描いてある絵を見たいです ほんま

さいならさいなら




《 2016.03.15 Tue  _  1ぺーじ 》