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ヨーロッパからの手紙

『フーフー通信』交野日記 夫 1985

ヨーロッパからの手紙

 今日は朝の十時ごろから晩の八時まで、歩きづめ、立ちづめでした。足は棒のようです。というのも、ルーブル美術館と印象派美術館を見物してきたからです。ホテルからルーブル美術館まで、歩いて三、四十分ほどでしたでしょうか。リュクサンブール公園の中を通り抜け、ぶらぶらと街のウインドーなど眺めながら、セーヌ川の橋を渡ったところにあります。
今日は日曜日で、ルーブルは日曜日は無料で入館できます。そのためということもあるのでしょうか、大変な人ごみです。十三年前もこんなだったなあ、と思い出しました。それにしてもたいへんな量の美術品がここには納められているんですね。僕たちはこのなかでいちばん新しいところのクールベの作品から時代を遡るようにして、レンブラントの室のあたりまで今日のところはひとまず出館しました。それでも三時間ほどはかかったでしょうか。ひとつひとつていねいに鑑賞していたら身がもたないと思うほどです。足をとめた作品はいくつもあったのですが、例えば、画集では気にもとめてなかった新古典派のダヴィッドのいくつかの作品が意外によかったり、ほんの一、二点しかないゴヤの人物画が印象深かったです。彼の描く人物は、なんていったらいいのか、人間をとらえる眼が、それまでの画家とどこかちがうんだなあ、という感じをあたえるのです。それにしても、絵の中の人物像にも目をひきつけられながら、絵を見ている人々の顔や表情により目をとられること、しばしばです。とにかくきのうも書きましたが、ハッとするような美しい顔の女性がいっぱいいるのです。こうなると、花の絵のそばに生きた花をもってくれば花の絵は見られない、というのと同じで、絵の中の人物像より生身の美人についつい見とれてしまうのも仕方のないことかもしれません。こんななかで、二、三人思うままにモデルになってくれ、描かせてもらえたら、僕だっていい絵が描けると思ってしまうくらいです。

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美術館で 名画やそれを見ている美人に感心しながら 何時間も歩き回る夫せいですが。
ルーブル美術館には 素朴な質問ですが なぜこんなに名画があるのですか?
きょうはルーブルの歴史を見てみようかな

さいならさいなら 





《 2016.03.07 Mon  _  思い出 》