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ブロンテ姉妹

『ブロンテ姉妹』 中岡洋 NHK NHKカルチャーアワー 2008の続きです。

マリア・ブロンテの死

 また、ある人がマリアに絹のガウンを贈ったことがあった。色も生地もパトリックの趣味には合わない事を知っていたマリアはそのガウンに一度も袖を通さず、引き出しにしまいいつも鍵をかけていた。ところがある日、マリアはたまたま鍵を引き出しに差し込んだままである事を思い出し、二階に上ってみると、服はずたずたに引き裂かれていた。
 しかし今では、パトリックについてのこれらの記述はギャスケルが事実を確認しないまま、解雇されて恨みを抱いた女性使用人の悪口を鵜呑みにして書いたと言われている。たとえギャスケルの言うように、パトリックが風変わりな人物であったとしてもマリアが亡くなるまでのブロンテ家が笑いに満ちた幸福な家庭であったことはまちがいない。それにしてもブロンテ家の幸福について考えてみると、彼らはなんと不幸な星の許に生まれついたことか慨嘆せざるえない。パトリックとマリア夫妻の幸福な結婚生活も10年と続きはしなかった。パトリックの詩集と出版と増えていく家族の笑顔はなんと短い歓びであったことか!

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この本は 読み始めたときよりも じわりじわりときはじめています。
これは偶然ですがルシアン・フロイドの画集を見て そのときはなにも言葉が出て来なかったのですが こういうところを読んでいくと 重なっていくようです。

「パトリックが風変わりな人物であったとしても、マリアが亡くなるまでのブロンテ家が笑いに満ちた幸福な家庭であったことはまちがいない。それにしてもブロンテ家の幸福について考えてみると、彼らはなんと不幸な星の許に生まれついた事か慨嘆せざるをえない。パトリックとマリア夫妻の幸福な結婚生活も10年と続きはしなかった。パトリックの詩集の出版と増えていく家族の笑顔はなんと短い歓びであったことか!」

パトリックとマリア夫妻の赤ん坊 それはフロイドの「緑色のソファの上の赤ん坊」と重なります。わたしも赤ん坊をよく見てスケッチしてきたので とても感じます。赤ん坊のこの姿は絵の中にのこりましたが その語 家族にも おもいがけないことが ふりかかってきます。なんと不幸な星の許に生まれついた というようなことも起こります。

さいならさいなら

《 2016.03.16 Wed  _  1ぺーじ 》