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シューベルト

『音楽と文化』川上徹太郎著 創元社 昭和13年の続きです。

シューベルト

 シューベルトが濫作した一つの結果として、彼には未完成の曲がかなりある。有名な未完成交響曲をはじめ、ピアノのソナタに五つもある。この現象は、彼の気まぐれな、思いつきで興の曲に筆をとり、興がされば途中で見向きもしなくなるためにほかならないが、また一つには第一楽章第二楽章に全力を注いでそこに全曲のための楽想を出し切ってしまい、ために後が続かなくなる、というふうにも考えられる。たとえば未完成交響楽にしたって、形式的にはとにかく、内容的にはこれで十分で、完結しているとは考えられないだろうか?あの美しい第二楽章が静かに消え入った後で、どんなメニュエッットとフイナーレが必要なのだ?そんなものはなくもがなである。つまりこの曲は「未完成」のために十分得をしているのである。そう考えると冗長な交響曲や弦楽四十湊曲で、第二楽章までだったらと思うのがよくある。女性的な、つまり曲の形式的構成に不得手で無関心なシューベルトに、未完成は当然のつきものである。
 シューベルトの作曲の重要なものは、いうまでもなく歌曲である。彼の名が一般的に知れ渡っているのは歌曲のせいだが、音楽史の上から見てもやはり歌曲作者として最も重要な位置をしめているのである。ドイツ浪漫派音楽における歌曲の地位を定めたのもシューベルトの功績である。リードと言えば英語のソング、フランス語のシャンソンにあたる最も普通の歌という語に違いないのであるが、シューベルトのリードといえば何か特別の範疇を示す言葉で、日本でも訳さないで使うくらい英語でもフランス語でもそのまま用いているのも、シューベルトの功績である。

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尊敬するベートーベンの横に眠るシューベルトです。31歳の若さで亡くなっていますが
歌曲が素晴らしいと それは日本語でも英語でもフランス語でも訳さないで使う シューベルトの功績なんですね。
交響曲 弦楽四十湊曲などは冗長すぎるのではないかとも。そうなんですか。最初に力を出し切ってしまうのですね。
「野バラ」わたしが唯一知っているのは。右手を胸にあてて歌いたくなるあの歌です。
美しい曲を作るシューベルトはRosemary  brown  が書いていましたように あの世でもいちばんのハンサムで めがねを取れば(あの世ではそんなものいらないらしいんです)さらに(笑)そんなシューベルトが死の床でベートーベンのそばで眠りたいとは よっぽど尊敬してたんですね。ベートーベンはすごいなあ。
この河上徹太郎さんの本は わたしがはじめてクラシックに出合うものです。まったくの無知なわたしには 新鮮です。なぜ音楽というものは人間の中で生まれたのだろう。そう思います。

さいならさいなら

《 2016.01.17 Sun  _  1ぺーじ 》