who am ?I

PAGE TOP

  • 08
  • 07

1ぺーじ

『音楽と文化』河上徹太郎著 創元社昭和13年のつづきです。


ベルリオズ

 しかしかれの管弦楽曲は実に絢爛で力にあふれている。その有力な「ローマの謝肉祭」や「ファウストの地獄落ち」のある部分など、現在われわれが聴いても近代的といっていい楽器編成法を持っている。とくに木管楽器の鮮かな使用法は実に美しい。更にまた「サンフオニー・ファンタスチック」はおおよそ管弦楽で許される最大限度の効力を発揮した叙情的譯詩である。明らかにこの様式はベートーベンの影響による管弦楽的描写の一形式であり、その形式主義から脱して標題学の領域にはいったものであるが、標題学といってもワグネルのごとき情緒的なものではなく、いわば音楽のかもす感情の諸断片を生のままさらけ出して度ぎつく物語を叙述したようなものである。それだけに同時代の浪漫派シューマンやブラームスのごとき統一性はないが、気魄の激しさから来る近代性に富んでいるのである。
 ベルリオズの少年時代は他の天才作曲家のごとき音楽に専心する修行で過ごされなかっただけに、その文学などに対する造詣は深く、最初はギリシャやローマの詩に没頭していたが、長じて最も感化されたのはゲエテとシェイクスピアであった。そして彼らの壮大な古典劇を多彩な管弦楽に翻訳描写した。それとともに文学の教養とともに、作曲家で彼ほど文学上の著作を残した人はなく、その全集は数十巻にのぼり、中でも詳細なベートーベンの九つの交響曲を論じたもののごときは今日でも類のない構成を持っているし、その「手記」一巻は、自叙伝として彼の生涯の激しいい創作生活を飾らず描いた、貴重な興味ある文献である。今その手記をもとにして、簡単に彼の伝記を述べてみよう。

***

ベルリオズの管弦楽曲はすばらしんですね。「ローマの謝肉祭」「ファウストの地獄落ち」
ベートーベンに影響を受けた「サンフォニー・ファンタスチック」
音楽に専念できるような環境ではなかったベルリオズは文学やギリシャやローマの詩に没頭したんですね。ゲーテやシェイクスピア。作曲家で彼程文学上の著作を残した人はいないと書いてあります。ベートーベンの九つの交響曲を論じたものとか自叙伝など。
この後彼の伝記となるようですが 楽しみです。

いわば音楽のかもす感情の諸断片を生のままさらけ出して度ぎつく物語を叙述したようなものである

さいならさいなら
《 2015.08.07 Fri  _  1ぺーじ 》