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1ぺーじ

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『植草甚一コラージュ日記』の続きです。

この文面の後に1ぺーじあります。

七時に帰ってSTEADの「リトル・ホテル」を読み始めたが、途中までは相当なものだ。

二月十三日・金・午后四時、福原さん、瀬戸さん来訪。それから新宿のニュータグが開店で、祝辞をたのまれたので、どうもからだの調子がよくないけれど出かける。久保田二郎さんの「極楽島ただいま満員」きょう本ができた。それを持って高平さんとあらわれゴキゲン。ダグの店には感心したが早めに帰宅。

二月十四日・土・CLOUDY、またからだの調子がよくない。ゆうべ池波作品集の解説ゲラ
を見て、福原さん取りにきたとき島田謹二「比較文学論」の下巻をくれた。そのあとでで出かけようとしたが一寝入りしてしまい、起きたら頭がサッパリしていたので「百人百語」の原稿を書く。ニューヨークの乞食の話。八時にできた。

二月十六日・月・雨降り。うちでずうっと本を読んでいる。銀行預金がニューヨークに行かれるだけたまった。パジェントのソロモンとヘンリーが目のまえに浮かんでくる。

二月十七日・火・CLOUDY/RAIN. 
からだ不調。朝早く目がさめる。(七。三〇)また寝る(二・〇〇)DUGへ行って紀伊国屋へ。字引き、クノー、ドキュマン、スリラー、五冊4、540鈴平で一冊。

二月十八日・水・CLOUDY/RAIN 月報用に部屋で木島始さんと対談。九時までやった。ひさしぶりに小野次郎さんの顔を見る。見るたびに先生らしくなってくる。

***

「そうか」と植草さんの日記を書き写しながらうなずくのです。 「今日はどんな本が植草古書店では並んでいるのだろう」と読者のみなさんは待っているんじゃないだろうか。と。「今日は植草さん東京のどこらへんを散歩して、電車やバスにも乗って、こんどはどんな名前の喫茶店でコーヒーを飲んでタバコを吸うんだろう」とね。
上野の山下に出たとき、くたびれていたのでグラタンとコーヒーにしたらマズかった。「ここら辺のお店は植草さんが食事をして、うまいかマズいか、この人ははっきり言いますよ」と気をつけなければなりません。 アメ横で1キロ半のMJBの大かん。(これはそうそう、お気に入りのコーヒーのでかいかんのこと)やすいとつい買ってしまう植草さんと下に書いてある。そういう人なんですね。ついでにリビーの袋入りコンビーフ2つにソセージ1。アメ横はこういうものがたっぷりあるんだね。1976年です。アメ横の時計屋も気になります。新型がね。植草さんは時計が大好き。 二月十二日、歯がグラつく(歯槽膿漏かなあ)のでデンティスト(カタカナ英語よくでてきますね、きっとニューヨーク行きが近いからや)に。「その歯は手遅れだよ」と言われてしまいましたね。68歳か。健康保険のところにまるをつけた植草さん、この人は庶民や。入ってくる原稿料はニューヨーク行きや本代で消えてしまう。どんなアパートにすんでいたんだろう。歯がガタついても、女の先生に「申込書の健康保険の所に○印がつけてあるけど(小さい○が書きたかったら、○印、いえね、ずっと捜してたんです)(ところがどっこい、アップされたのを見ると小さくはない。どーいうこと?)それじゃやれないよ」と言われてる。 (ガタついても、後回しにしたくなる歯医者行きかな)それでも後日談があるんだ。竹内先生というお医者さんに本当は見てほしかったんだな、植草さん。ところが先生は入院中でもうすぐ退院するらしいから、「歯はガタつくままにしておこう」と。 ここらへんのくだり、笑ってしまいます。65歳の私としましては、この歯はどうせ手遅れということは、ぬくということなのかしら? と気にはなるのですが。 その歯でうなぎをおいしいと食べる。(いいにおいがしてきた。この前の映画グッドジョブで林業の見習いの主人公染谷将太は下宿先の奥さんがお弁当に入れてくれた「まむしのかばやき」でおったまげる。あれって、うなぎのこと「まむし」というのは関西だっけ? でも、あの地域はへびのまむしが多かったから、もしや。 なにを横道にそれてるんだ)(しかし「たこ」をいやがるアメリカ人、いろいろだよね) 神楽坂を上の方に歩いていくと古道具屋とアンティックの合いの子みたいな店があった。いいなあ、わたしも梅公とついていかせてくださいよ。デンマークの四角い皿で番号入りのいいのがある。四千円を三千五百円に。 きょうはまだなんも買ってないから、まあいいだろう、ですか。 奥さんが「ダメよ」とすそをひっぱったんじゃないですか? この皿の説明がうまいです。「キリコみたいな両側の低い建物の遠近法。まんなかにパイプオルガンみたいな教会が大きく立っている。ベージ色でバックの空は淡ブルーがぼかしてある。ほんのすこしビルの輪郭が浮き上がっているあたり飽きないだろう。」とね。 二月十三日、新宿のニュー・ダグが開店。どんなお店なんだろう。からだの調子がよくない、歯のせいじゃない? 「極楽鳥ただいま満員」面白いタイトルの本。
二月十四日、来客の後一寝入りしてしまい、起きたら頭がサッパリしていた。 一寝入りが一番いい薬ですね、植草さん。「百人百五」の原稿はニューヨークの乞食の話。 二月十七日、寝たり起きたりからだの調子がわるい。それでも紀伊国屋へ。 きっと本屋に行くと元気になるんだ。二月十八日、木島始さんに会う。

小野次郎さん、島田謹二さん、福原さん久保田二郎さん、高平さん、瀬戸さん。女の歯医者さん、竹内先生、今回会った人たち。
またあした、さいならさいなら!
《 2015.01.20 Tue  _  ちまたの芸術論 》