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1ぺーじ

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これは『中島敦 父から子への南洋だより』集英社2002年発行の本の中の1ぺーじです。 中島敦というと『月山記』などを書いた高名な作家ですが、1941年昭和16年、南洋庁の国語教科書編修書記としてパラオに着任したころ、家族にあてた手紙です。 息子たちにお父ちゃんの見た南洋の島々の様子を書いています。 絵はがきでみる珍しい光景は子供たちには驚きの連続だったと思います。それを見るわたしも興味しんしんになりますね。 わたしはこの本を手にした時、もう一人の外地に赴任していた人のはがきを見せてもらっていました。昭和18年頃、知り合いのお父さんがやはり軍医としてインドネシアにいて、たくさんのはがきが現地から送られてきていたのが残されているのです。 知人は戦後生まれですから、そのはがきは奥さんに送られたものです。そこの景色、子供たちの絵などが本人の手がきで描いてあります。水彩画です。 これらは中島敦のものとおなじような空気感のあるものだと思いました。お二人ともまだ戦争がどうなるかもわからない中で、異郷の地でとまどったり、驚いたりしています。 中島敦の子供たちにあてたはがきは相手がこどもだけに、ときには「勉強してるか」とにらみをきかせ、珍しい現地のいきものやくだものなどのことで子供たちを驚かせてやろうとしているのがわかります。戦時中の緊迫した空気というより、不思議とのんびりしているように見えます。
《 2014.10.04 Sat  _  ちまたの芸術論 》