2019.03.02「アトリエナルセの服」の本ができるまで。


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はじめての著者本、「アトリエナルセの服」が3/8(金)についに発売になります。
編集部からは、ひとあし先に寄贈本がとどきました!キャー

おもえば、長かった道のり・・
本づくりって、こんなにこんなにこんなに、たいへんなのか〜〜と思いました。
企画から約1年、かかっております。

じつは今回の本のお話は以前にも1度、文化出版さんよりお誘いいただいたことがありましたが、子供がまだ保育園だということもあり、どう考えてもむずかしいな・・と思い、お断りしたのでした。
そして2度目にお声がけいただいたときも、実は1回お断りし、いやでも!と思い、もう一度お声がけいただいた時には、「やります!」と返事をしていたのでした。
とはいえ、子供が小学生にあがっただけでスタッフが増えたわけでもなく、だんなはんとわたしと、だんなはんの妹の3人体制。
みなそれぞれに忙しく、またアトリエ引っ越しがあったり、撮影方法を変えたり、アトリエナルセ内でも、変化の年にこの本の企画も始動してしまったのです・・。
それはそれは、大変でした。覚悟はしていたけれど、ほんとうに大変でした。

去年の夏は、いそがしさのピーク。
わたしはなんだか方々を走り回っていました。
東京への出張も増えたのが去年の初夏頃から。
とはいえ、忙しさをたのしむ。という感じもあって、イキイキと仕事をこなす自分がいる反面、家事がほんと〜うにおろそかになってしまっていたなあ。という反省もあり。
だんなはんも子供も1泊出張をこころよく行ってらっしゃい。と送りだしてくれたり、だんなはんは家事や子育てなどもサポートをしてくれて、息子も案外わたしがいない夜もさみしい。。なんて言ってくるわけでもなく、家族みんなで成長した一年でもありました。

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手刺繍がはいるような服も、掲載されています。



今回の本でパターンをお願いした田中さんとは、別の仕事でもご一緒したことがある方ですが、また別の知り合いから紹介くださった方もなんと田中さんだった!というご縁があった方でもあって、なんとも引き寄せられるご縁だったな。と感じる方なのでした。
縫製をお願いした東(あずま)さんは、実はアトリエナルセで(まだnaruseだった頃)初めてのアシスタント募集に1人だけ連絡をくださり、1年ほどお手伝いにきてくれた方でした。
いつかまたなにかでお仕事ができたらいいなあ。と思っていたので、ひさしぶりにお仕事ができてほんとうに嬉しかったです。とてもきれいな縫製で作品を仕上げてくださいました。


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すこしずつ納品されてくる本の作品たち。
アトリエナルセの商品づくりとはまたひと味ちがう、手作り独特のよさがひかる服たち。


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去年の夏、アトリエで。
西向きのアトリエは、去年の猛暑の夏も午前中はとても涼しくて、よーし、今日もがんばるぞ!ともくもくと仕事に集中できました。

同時進行でアトリエナルセの秋冬の量産の生産準備と、春夏展示会にむけてのデザイン出し。
いつもは、それだけでも目がまわる感じだったのですが、それに平行して本1冊分のデザイン。
一時は、春夏ものはもう無理だ・・と思った時期もありました。
はじめて、1回コレクションをおやすみする。という選択肢も頭によぎりました。

本で掲載する洋服は、製品づくりとはまた違ったたいへんさがありました。
読者の方が縫いやすい縫製方法をかんがえたり、生地のセレクトも制約があったり。
パターン打ち合わせを田中さんとしながらも、編集部との話し合いで、生地変更がどんどんあったりするので、それにあわせて縫い方を変えていったり、デザインも細部が変わったりしました。
田中さんも東さんも、他の仕事がありながらなので、みなさんのスケジュールを加味しながらの進行の調整が、むずかしいことのひとつでもありました。

そして、少しずつ季節はすすみ、そして少しずつ作品アップがあり。。
日々の日記にかきたいことが盛りだくさんな充実した日々でした。

そして、あれよあれよと、撮影日がきまり、去年の冬に東京都内にて撮影。
1泊2日でわたしも参加させていただきました。


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撮影初日。
わたしはこの日のために、本の仕事を受けたといっても過言ではありません・・・
本がつくられる現場を、いちどでいいから、みてみたい!と思っていました。

1日目のモデルはジェシカさん。雑誌でもよく拝見する売れっ子モデルさんです。
顔がちいさい、よく聞く感想ですがほんとうにちいさくて細い。
ぜんぜん気取っておらず、そしてややおもしろい雰囲気さえ漂わせ、私物のバッグは保冷袋を愛用していらっしゃいました。(ちょっと衝撃!)撮影中の表情も、なんとも独特でかっこよかったです。
初日は、緊張してかくし撮りができませんでしたが〜ざんねん。


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そして2日目。
この日のモデルさんは表紙にもなった、モトーラ世理奈さん。
この方も、とても独特な雰囲気を持ったモデルさん。
そばかすが可愛くて、おっとりとした不思議な魅力をもった可愛い性格の女の子でした。
最近は、活躍の場をひろげていらっしゃるようで、きっとこれからどんどん有名になられる方なのではないかなあと思います。
そんな彼女にこのタイミングでモデルさんをお願いできたのは、とてもラッキーでした。

おっとりとしゃべる彼女のすきな食べ物は、「しゅんぎく」。

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カメラマンさんとスタイリストさんでどんどん世界観をつくっていかれます。
納得がいくまで、いろいろと試したりするのだけど、きまるときははやい。
こうやって撮影していくのか〜と、とてもおもしろかったです。

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こちらはロケ。

アトリエナルセではニットターバンでもお世話になっている、ダルマ糸さん(横田(株))は、この春からオリジナル生地も販売されることになりました。
DARUMA FABRIC」の生地は、とてもかわいくて、とてもすてきです。
この写真ではわかりづらいですが、まるでプールの底にしずんだときにゆらゆらと見える歪んだチェック柄の生地。その名も、「pool」という名前の生地です。
本の中では、スプリングコートをつくらせてもらいました。

上の生地とはまた違うのですが、実はわたしも1柄、生地デザインさせてもらっています。
DARUMA FABRIC×アトリエナルセのコラボ生地です。
それがまたいい仕上がりで、今回の本の世界観をつくってくれる柄となりました。
いろいろなご縁で、今回の本ができています。


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これは滞在先のホテルです。ちらかってます。

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ホテルの窓からみた風景。下にはうつってないけど、青山墓地がみえます。


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本の編集を担当くださった鈴木理恵さん。
今回の本でいちばん感謝したいのは、ほんとうに素晴らしい方々にお声がけくださったこと。
ほんとうにほんとうに感謝です。

だれから書けばよいかしら・・・
カメラマンさんに、大段まちこさん。
大段さんの撮られる写真は、かわいくて、でもどこかかわいいだけじゃない独特でふしぎな世界観をお持ちの方です。
現場でも、大段さんのアイデアがどんどんうまれてきて、目の前で変わっていく世界観に感動したのでした。
撮影、行ってよかった。ほんとうに心から思いました。

スタイリストさんには、タンナイミサさん。
この方のお名前をお聞きしたときに、つい過去の雑誌(クウネルとか!)で載っていた記事なんかをひっぱりだしてきて、だんなはんや友人にこのひとやでええ!と、自慢したのでした。(笑)
雑誌好きには何度も目にしたことがある、ボーイッシュなかっこよさと、かわいさがあるスタイリング。
アトリエナルセの服はどちらかというとかわいらしい服なので、どんなふうにボーイッシュなスパイスをいれてくださるのかなあ。と、とてもたのしみでした。撮影中も、意味もなくはなしかけたりと、ミーハー心がとまりませんでした。。

そしてヘアメイクさんに高野智子さん。
最初、モデルさんかと勘違いするほど、うつくしい方でした。そしてとても気さくな方。
ヘアメイク、わたしがいちばん気に入っているのは、26ページです。洋服やスタイリングのイメージにあわせて、メイクもキッシュでおもしろい世界観を作ってくださいました。

そしてそして。
ブックデザインは葉田いづみさんです。
もう本の企画が決まってからブックデザインは葉田さんがいいなあ。なんて、編集の方に相談しておりました。
葉田さんのことを知ったのは、20代前半の頃。
佐野繁次郎さんの本のブックデザインでした。佐野繁次郎さんの作品ももちろんすばらしいのですが、葉田さんのシンプルでかっこいいブックデザインが、当時すごくドキドキしました。
おもえば、ブックデザインをする方に興味がわいたのも、葉田さんからだったなあ。

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なつかしのこのデザイン。ご存知の方もいらっしゃるのでは。

そして実は、だんなはんの早川卓馬がコラムを担当した、ニシワキタダシさんとの共著「かんさい絵ことば辞典」のブックデザインも葉田さんだったのです〜ひゃ〜

今回の「アトリエナルセの服」では、ページデザインがデーターで送られてくるたびに、だんなはんもわたしもめちゃかわいい〜〜!キャーと歓喜の声をあげていました。
ぜひ、購入されましたら、本のカバーもめくってみてくださいね。中もかわいいんですよ〜
紙質からなにからこだわりがつまったデザインです。

"かわいくて、ボーイッシュで、ちょっとユーモアがある。"

新宿にある文化出版局の会議室で、はじめてみなさんが揃っての打ち合わせのとき、
「どんなイメージがいいですか?」
と聞かれました。うまく答えられず、まとまりのない話をつらつらとはなしました。

アトリエナルセをはじめた初期のころ。
まっすぐにおしゃれなもの、ではなくて、ちょっとユーモアがあって、不器用なものが好きでした。
そして、そんな世界観のあるブランドでありたいなあ。と思ったのでした。
アトリエナルセの服が、そうであってほしいなあ。というものを、うまく言葉で説明できたかわかりませんが、みなさんがすくいとってくださったなあ。と思っています。

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撮影のときもブックデザインをみたときも、もうね、なんというか、これは夢だな。と思いました。
天狗になっちゃいかん。この本は、もはやわたしの本ではないぞ。もうね、みなさんが作ってくれたものだな。と。



そしてそして、今回編集を担当くださったトライアウトの鈴木理恵さんと、文化出版局の三角紗綾子さん。
鈴木さんは前職は天然生活の編集にいらした方で、当時からときどきおお声がけくださって、若い頃からほんとうにお世話になっていた方なのでした。
今回本づくりの中では、打ち合わせを何回もして、長い本づくりの経過の中ではちょっと喧嘩もし、(笑)打たれ強くも、フレキシブルにうごいてくださいました。ほんとうに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

そして三角さん。
三角さんも実は三角さんが前職からのおつきあい。

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クルールという手作り作家さん時代に一緒に仕事をさせてもらったものです。
表紙のバッグはわたしがつくったものを採用くださいました。なつかしの一冊です。たからもの。

当時は、三角さんももちろんお若かったですが、同世代の方とこうやって長くご縁をいただき、今回の本ができたのだなあと思うと、感慨深いです。

わたしにとっては、記念すべき初の著者本がこんなにすばらしい方々とのご縁で作っていただくことができて、
本当にしあわせだなあ、と思いました。
そして、一緒にがんばってくれただんなはんや、
本のことを聞いて「かか、ゆうめいじんやなあ!」と言って、よろこんでくれた息子。
出張のときも、とと(だんなはん)と協力して応援してくれました。
そしてアトリエナルセをささえてくれている、アシスタントのまゆちゃん。まゆちゃんがまた成長した1年でもありました。
いまでは、だれが欠けてもアトリエナルセではないなあ。という存在でになりました。

そしてそして。
アトリエナルセを好きといってくださるおきゃくさま。
クルール時代からファンです。と言ってくださる奇特な方もいらっしゃいます。ありがたや・・ほんとうにありがたいです。

いろいろな方とのご縁や、つみかさねの中でできた本だなあ。と思っています。
著者本とかいったらばちがあたりそうです。
みなさま、ほんとうにありがとうございました。
これからも、がんばろうと思います!



そしてそして。
3/8に本が出版後、イベントを予定していますよ。

3月中旬ころより、
アンジェラヴィサント梅田店さん、
京都のアンジェ河原町店さん、
東京丸の内のKITTE内のアンジェさん

上記3店舗で、お店の中で「アトリエナルセの服」のコーナーを設けていただけることになりました。
本の中で掲載の肩結びバッグを受注販売したり、アトリエナルセのソックスや、今回本で使用されたDARUMA FABRICさんの生地や裁縫小物が展示販売されます。

そして6月には、苦楽園のギャラリー6cさん
7月には、埼玉のsenkiyaさん

※詳細わかり次第、おしらせいたします

イベントは、アトリエナルセの製品や、公私ともにお世話になっている、横田(株)のダルマ糸さんと共同開催となります。
まだまだ内容は煮詰まっておりませんが・・・いろいろとお知らせしていきたいと思っていますよ。

ひさしぶりのイベント開催。
ちゃんとできるのか、ドキドキしておりますが、せっかく本がでるのだもの。
ひさしぶりにネットから外にでて、みなさんに感謝のきもちを伝えられるような、たのしいイベントができたらいいなあ。と思っています。

はてさて、いよいよ今週ですね。
本屋さんで、「アトリエナルセの服」がならぶのが今からとても楽しみです。
3/8(金)より、発売になります!
裁縫に興味がある方はもちろん、裁縫は興味がない方には、デザインブックとしてもかわいい本に仕上がっています。
ぜひ、手にとっていただけたら幸いです。